○ 奈良部山 (南南東尾根)

【登った日】 平成23年12月11日(日)
【天  候】 晴れ
【山の名前】 奈良部山(985.4m)
【時  間】 7:40〜14:55
【同行者】  桐生みどりさん、あにねこさん
【コース】  林道駐車位置〜作業道入口〜送電鉄塔〜723m峰〜岩場T〜岩場U〜岩場V〜奈良部山〜(南南西尾根)〜645m峰〜送電鉄塔〜林道駐車位置

奈良部山の南南東尾根は3年前に奈良部山山頂から南南東へ下ろうとして敗退し、その後大変な思いをして車に戻ったほろ苦い記憶の残る尾根である。
その時断念した大岩通過はその後ネットで調べる限り2例あった。(2例共進行方向は逆で有ったが。)
今回その通過した人がいるという事実を胸に秘めリベンジ山行となった。
尚、当初より厳しい場所の通過が予想される為、おK3はお休み。
同行者を募ったところ強力なメンバーが同行してくれることとなった。桐生みどりさんとあにねこさんである。
たそがれオヤジさんは残念ながら前日土曜日に結構厳しい山行を終えられた直後であった為不参加となったのは残念である。
参考HP:オッサンの山旅(2006年奈良部山)


この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。(承認番号 平22業使、第547号)」

林道が2つに分岐する石碑のある地点に路肩駐車。
これより先は車両進入禁止の看板。他にハンターさんの車2台。
少し戻りオッサンの例の様に最初から尾根を歩くか、それとも送電線鉄塔の保線路を辿るかと検討の結果、保線路へとなった。
なんて書いてるかというと「土砂崩れ 通行止め」だそうです。
通行止めの箇所から適当なところに取り付けば良いのである。
堰堤をいくつか過ぎ、かなり高度を稼いだところで通行不能となる。
ここで左手の踏み跡に転じ鉄塔の根本を目指す。
立派な鉄塔ですねぇ。ここで1本。 尾根をそのまま主稜線に向けて登りましょ。
主稜線に出ました。遠くに見えるは・・・・。 安蘇の山々の後方に筑波山が綺麗な双耳峰を見せていますよ。
主稜線の尾根は藪も無く歩きやすい尾根でした。 主稜線上の送電線鉄塔。
北斜面には雪が残っています。 枯れ葉と相まって滑るので慎重に下ります。
いよいよ岩場が出てきましたよ。右手は切れてますねぇ。 主稜線には所処このような赤ペンキのマーキングが見られました。
ハイトス派手にこける。支点にもなりそうな頑丈そうに見えた木なので全体重を掛けたらボキッと根元から折れてしまい御覧のとおり。
桐生みどりさんが、「こっちまで巻き込まないでね」と見守っている。
第Tの岩場が出現。
都合上主稜線の3つの岩場をT:初級、U:中級、V:上級と名付けておく。この初級の岩場は難なくクリア。
尖った岩に落書きがあった。こんな所まで来て???である。 U:中級の岩場。果敢に攻めるがとても登れそうにないので途中であにねこさんとハイトスは諦めて一旦戻ることにして下る。
しかしこの岩場を元に下るのも又怖いのである。
しょうがないので左に捲く。
捲き道も下方向に下ってしまい戻るのに苦労する。
桐生みどりさんだけはそのまま捲かずに岩稜を通過してしまったようである。やはりこの方は別格である。
ついにV:上級の岩場にやって来たが、正面は切れ落ちており、懸垂の用意が無いので無理。左は下れそうだが稜線への復帰のルートが見えない。右も同じだが、オッサンの例では右に捲いたという記憶があったので一旦降りて通行できるか調べる事になる。最初に桐生みどりさん。
次はハイトス。急斜面で雪が残り、落ち葉もくせものであるので慎重に。
ここでは引き返す為に登り返せる事を念頭に置いて下る。
難しいと判断した場合は登り返して往路を戻る事になるのだが。
桐生みどりさんより「何とか先に進めるかもしれない」との事。大岩を捲くにはここをトラバースするしかない。怖い場所である。しかしトラバース時に途中のポイントが取れない場合ザイルはあまり効果的ではない。
しかし何も無いよりは、心なしかの気休めにはなる。
今回一番緊張し慎重になった場所で有る。
確かにこりゃぁ上級である。
あにねこさんが最後の難関を越えようとしています。ちなみに落ちると30m以上はスッパリといってますので、下を見ないようにします。
スリリングなんてぇもんじゃぁありませんよ。
何とか捲いて反対側に降り立ちました。大岩を見上げる。
3年前ここでニッチもサッチも行かなくなった場所です。
今見直してもやはり通過は無理と判断するでしょう。
今ほど通過してきた捲きルートはこちら側からは見えません。
もちろん西側は捲けませんのでここを登るしか無いと決断しそうですね。
でも登れる訳はありませんからやっぱり敗退も致し方無しです。
桐生みどりさんがこちら側からルートの探索に行かれ、やはり一番良いのは正面から40m長のザイルで懸垂で降りるのが良さそうだとのこと。次善案として西側(黄色のテープがあった)を懸垂で降りる。この場合ザイルはもっと短くても良さそうだとのこと。どっちにしろ一旦通過したから判ることでもあり、初めてこの場所に来て通過ルートを探るのは至難の技であると思われる。
難所を通過するも急登が待っていました。
でもきつくても危険が無いのは良いですね。
今回も登りではお二人についていけません。
奈良部山頂上です。先月とは様相がガラッと代わり、葉を付けている木々は無く、先日降った雪が解けずに残っています。
風があるので少し下った場所で昼食。
寒いけれどもビールを1〜2口程飲んで難ルート攻略の満足感に浸る。
3人とも冬はやはり暖かいものが良いと見えてガスを取り出して調理?にいそしみます。戻りは予定通り南南西の尾根を下ります。
途中で渡ってきた主稜線か見えましたが、見るからにギザギザで捲けそうにない岩場も見えており、この尾根の厳しさを物語っております。
間違えようの無い尾根ではありますが、分岐では一応確認を。
勘だけ歩きだと痛い目に遭うことがありますので。
復路では唯一注意が必要な岩場にやって来ました。
なるほどこれでは降りられません。右に捲きましょ。
少し降りてもやはり目的の鞍部には降りられません。どんどん下ります。 あにねこさんは大回りせず途中でザイルで下っています。
645m峰へは結構急登でしたが距離が短いのでなんてことは無いです。 どんどん尾根を下っていくとずっと見てなかった赤テープですよ。
平らな場所の植林地に出たと思ったら木に白いペンキが。
これはどうも林業関係者のマークではないかと桐生みどりさん。
送電線鉄塔です。当初予定はこのまま尾根歩きで駐車位置まで行くつもりでしたが、この鉄塔から林道まで保線路が有りましたので利用することにしましょ。
保線路はきちんとされていて歩きやすい。 どんどん降りると林道です。後は駐車場所まで林道歩き。
途中の岩の上に石祠。下にも1基。 駐車位置まで戻りました。ハンターさん達の車は無くなっていました。

奈良部山南南東尾根・・・・難所の大岩(今回上級とした)ははっきり言って危険です。
今回のルートはお勧めしません。(キッパリ!!)
この破線道の通行は避けた方が良いでしょう。廃道以前にここにルートがあったとはとても思えない場所です。
通常一般登山道と云われる場所は厳しいところでは鎖やトラロープが供えてあり安心ですが、今回の様なルートはそもそも通行する人が希で何も手が加えられておりませんので自分で何とかするしか有りません。
もし万一どうしてもこの尾根を歩きたいという方は、十分な装備を忘れずにと申しておきましょう。又単独ではなく複数人の方が良いと思われます。

今回もあにねこさん撮影の画像を多数お借りした。いつも有難う御座います。自分の写っているのはすべてあにねこさん撮影のものです。

ホームに戻る