GPS考

  

地図とコンパスが位置確認の基本であるが、このご時世便利な物が有ります。
衛星を利用した位置確認システムを利用しない手は無い。
と言う事でもっとも手近な携帯電話のGPS機能をテストしてみた。
機種はDoCoMoのF904iである。
地元の経塚山から自然観察の森の最上部を通り、吾妻山と鳴神山縦走路に出て吾妻山へと言うルート
だが、ほぼ全域で利用できた。
しかも等高線も10m間隔と思われ1/25000とほぼ同等のわかりやすさで有った。

しかし場所を変えて菱の山では等高線情報が出てこなかった。
どうも等高線の出る地域は市街地に近い場所に限られるようである。

そもそも携帯のGPSは完全自立出はなく、基地局と連携しその座標の精度を高める方式の様である。
つまり携帯の電波の届かない場所では当然地形図も出ないし、座標そのものも出ないと言うことである。

早い話が(最初から分かっていたことであるが)、使い物にならないと言うことです。

次に試したのがWintec社 WPL-1000という機種である。
これはデータロガーであるが、小さな液晶画面があり、現在の座標を表示することが出来るのである。
しかも安い。
確か12,000円ほどで入手したと思う。

画像の右側小さい方である。カタログ上の感度が良かったので購入した。
元々データロガーであるので多くを望むのは酷ではあるが、欠点として緯度経度の表示が度分秒では無くてdegree度単位なのでちょっと不便。
小数点以下に60を掛けてその整数部を分として求め、先ほどの計算結果の小数部に再度60を掛けて秒を求める
と言った計算が必要でちょっと私の頭では暗算できません。
しょうがないので地図にあらかじめ拠点拠点に「ウォッちず」で求めた座標値を記入して目安として利用していた。

これはこれでそこそこの精度で衛星をキャッチし、現在位置の確認と軌跡の描画に役立った。
しかしやはりご多分に漏れず林の中や深い谷では衛星をロストしてしまいます。
当然軌跡データも途中でとんでもない場所に飛んだりします。
この軌跡データは歩行モードでも有るのだからソフトでイリーガルデータを補正出来るのではと文句を言いたいところではある。

しかし値段を考えるとこんなものなのでしょう。
古いガーミンの高級機だって結構ロストするらしい。

しかしながら2年ほど前にガーミンから最新の高感度GPSチップSiRF StarIIIを採用したGPSmap60CSxと言う機種が
発表され、実際にその高感度が話題になっていた。
高速測位、高感度で定評の有るSiRF StarIIIにより、峡谷や樹林帯の下でもGPS測位がしやすくなったらしい。
Netでも実証データが沢山発表されているのである。
欲しくなりすね。
でも今まで躊躇していたのはその価格です。
地図付きとはいえ12万円は高い。
いいよネットさんの言い分も分からないではない。
日本語化の開発費やWnnのライセンス料も掛かるためしょうがない値段設定なのかなとは思うが、そこそこの数量が
見込めるのだからもう少しリーゾナブルな価格設定が出来なかったかと思う。

さて、私でありますが、12万円はとても出せない。
そこで眼をつけたのが英語版の個人輸入である。(今は円高である。)
地図はアップダウン製作所から(文字はローマ字表記では有るが)入手可能である。
確かに漢字表記は直感的であり良いのだが、この際値段の差を考えると十分我慢できるし、そもそも欲しいのは
山歩き用なので緯度経度座標値と等高線情報なのであるから全然OKなのである。

結局ヤフオクで個人輸入を行い十分納得のいく価格で出品している物件を見つけたので落札した。
又、地図はアップダウン製作所に発注した。



合計45000円程度で入手出来た。

さて両方届いたが、大容量のMicroSDが無い。
GPSmap60CSxには付属で128MBの物がついていたがこれでは日本全国が入らない。(別に全部入らなくても支障はないのだが)
そういえば携帯のMicroSDはと見てみるとなんと1GBであったので即交換となった。
地図をインストールして早速山行にて使ってみたが、さすがである、一切衛星をロストすることはなかった。
なんと自宅の部屋の中でも5個以上キャッチしているではないか。
これは単にチップの性能だけではなく、アンテナとのマッチングも良いのではないかと思われる。

画面は小さいが必要な等高線が表示されるので大変に便利である。

地図がいらないと言うわけにはいかないが、画期的である事は確かである。

必要が無い場所でもGPSmap60CSxを確認して見たりで、今のところ楽しいおもちゃ状態である。

結論:少しくらいの環境悪化にも衛星を確保し続けるこの機種は優れもので、十分投資に値するのものと考える。