○ 平ヶ岳

【登った日】 平成22年 7月 18日 (日)
【天  候】  晴れ後雷雨
【山の名前】 平ヶ岳(2,141m)
【時  間】 04:40〜18:30
【同行者】  おK3
【コース】  鷹ノ巣登山口駐車場〜下台倉山〜台倉山〜池ノ岳〜平ヶ岳〜玉子石〜池ノ岳〜台倉山〜下台倉山〜鷹ノ巣駐車場

平ヶ岳は噂に違わぬハードな山行となった。
元々この山は我々の足ではとても日帰りは無理なのでテントを担いで1泊2日のつもりでいた。
ところがおK3がどこからともなく中ノ岐林道の情報を仕入れてきて「日帰りできそうよ」等と言い出したのである。
しかしよく調べてみると・・・(何か釈然としない)・・・であるのでキッパリと却下。(10年後で有れば選択肢ではあるが。)
という訳で鷹ノ巣から登ることにしたのだが、何せ土曜日は天気予報に拠ると雨天の可能性が高い。
それでは前日に駐車場まで行って車中泊とし、翌日早朝の夜明けから歩き出せば良いのでは無いかと。
ここで何故他の山にしなかったのか等多少の疑問は残るが、何とかあるで有ろうと出発した。
結果として14時間近い山行となったが、何とか日没前に戻れてヤレヤレである。


「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。(承認番号 平21業使、第522号)」

前日の18:00頃に着いたときは全部で12台の駐車であり、余裕を持って車を止める事が出来た。
車のナンバーは名古屋だったり福岡だったり各地から。

駐車場には簡易トイレが1基と、写真に写っている立派なバイオトイレがあった。ありがたいことである。

21時前には寝ようとするが藪蚊とブヨの攻撃になかなか寝付けない。
今度は車中泊用に車の窓用網戸を物色しなくてはならぬな。

良く寝れなかったが3:30過ぎに起床して準備を始める。
駐車場はすでに満車状態で路肩駐車が数台出始めた。
これ以降の到着車はすべて路肩駐車となるであろう。

早い人はヘッデンを点けて出発していくではないか。

ゆっくりと朝食等摂って着替えて等しているといつの間にか4時半を回ってしまった。

車中泊組の中ではやや遅いほうの出発となった。

最初は林道を歩く。途中下台倉沢を渡渉するが石の上を飛び石で渡る程度なので記憶も定かではない程であった。(この時は) 林道行き止まり地点で山道に入る。
徐々に急登となる。早速燧ヶ岳が眼に飛び込んできた。
朝日に映える鷹ノ巣山の峰。 稜線に出ました。これから辿るゴジラの背である。
いくつかのピークをこなす。今日は暑くなりそうな予感が。 この特徴のある松の木が前坂と呼ばれる場所らしい。
登っても登っても先に見えるは上に延びている稜線です。 下台倉山直下の急登を登る。
急な場所にはお助けロープも有ります。 下台倉山山頂ですが、稜線上の一部といった風情ですな。
下台倉山から台倉山へは緩やかなUpDownの少ない稜線となります。
平ヶ岳山頂が遠くに見えます。あそこまで行くのですよ。
所々に木道が設置されています。
途中三角点だけの台倉山山頂は大勢の人が休憩中。

写真を撮るからどいてくれとも言い出せず・・通過するのみ。

次の休憩ポイントである台倉清水へ向かいます。

台倉清水でも10名近くの人が休憩中です。

水場で水をくんできた人に聞くと、冷たくて美味しい水だそうである。

今回暑くなりそうなので5リットル持参している。
このため往路は給水の必要が無いので帰りにでも寄ることにしよう。

次の水場である白沢清水に着きました。 湧き水ですが、一見水たまりのようです。おK3に飲んでみたらと言うと遠慮しておくと言う。そっと汲めば濁らずに採取出来そうではある。
森林限界を越えた辺りから左前方に平ヶ岳の平らでどっしりとした山頂がより大きく見えて来ます。 池ノ岳への最後の急登。
下台倉山への急登もきつかったが、この最後の登りもきつかった。
池ノ岳(姫の池)に到着。今までの登りの苦しさが報われる風景です。
テン場にはテントは1基。思ったより少ないなぁ。
左方向には平ヶ岳が「早うこんかい」と言うとるではないですか。
まずは山頂にご挨拶してきましょう。
登山道から空を見上げると夏の雲です。 隣の池ノ岳もそうなのですが、平らな山頂の山々です。
説明板の正面奥にある山頂標識で記念撮影。
三角点もあります。
説明板から南西へ延びる木道を、池塘を見ながら行き止まりまで進みます。
先端から見た至仏山ですが、残念ながら先端が雲で覆われています。 燧ヶ岳と景鶴山。
大変な思いをして登った景鶴山の北面を望む。すぐ眼前に有るのです。 説明板のある場所は休憩場所のようであり、テン場のようでもあり。
山頂でゆったりとした時間を過ごした後、玉子石に向かいます。
木道の両脇にワタスゲとタテヤマリンドウが多く見られます。
これはハクサンコザクラ。
最近ワタスゲとタテヤマリンドウとハクサンコザクラを覚えた。
玉子石へ向かう途中には雪渓を渡ります。 この雪渓が下にあるテン場の水場である沢の源泉ですね。
玉子石に到着。来て良かった。
とにかく自分の目で見たいと思っていた光景ですので。
背景の湿原と相まって自然の作り出す絶景を満喫。
しかし方向を変えると玉子形では無く三角に見える。
背景を成している池塘群。
残念ながらこの玉子石より先へは行けません。
標高2000m地点付近の高層湿原ですのでこのまま自然の状態を保持していってもらいたいものです。
復路は往路をそのまま辿ります。
もっと姫の池でゆっくりとしていたいのですが、何せとっくに13:00を回っていますので帰路に就かなくてはなりません。
往路から抜きつ抜かれつとしてきた人達なので自然と顔を覚えて来ましたよ。皆さんとそれほどペースが変わらないようで。
台倉清水で水を補給。水場は数分でいける急坂を下った沢です。
台倉山の三角点まで戻りましたが、よく見ると手製の山名板を発見。
下台倉へ向かう途中で突然雨雲が広がったと思ったら雨が降り出した。
最初はすぐに止むだろうと言うので手抜きで合羽の上着だけですましていたら、急に雨粒が大ききなり、夕立となった。
カミナリも鳴りだして、激しい雨となってしまった。
突然の天候の急変により登山道は渋滞となる。
特にロープで下る場所では一人づつなので余計です。
根性で傘でがんばっている人もいるが、時間の問題であろう。
登山道を雨水が濁流となって流れ出しましたよ。
この後は下りが辛いだの、暑いだのと言っていた事はすべて忘れて必死に下るのみ。左手に見える下台倉沢が茶色の濁流が大きな音を立てて流れているのがよく見えます。

おK3は結構たくましく、さっさと降りていきます。
前を行くお兄さんが時々滑って転びそうになっているのを見て、「流れの中を通った方がいいですよ」等とアドバイスしているではないですか。
このお兄さん、おK3の迫力に圧されたのか「お先にどうぞ」となりました。

途中の遮る物の無い尾根道は落雷が怖いのですが、雷鳴と雷光の時間差が結構有るので大丈夫とふんで先を急ぎました。
途中で若い男性2名が岩陰に屈んでじっとしています。
落雷を避ける基本動作ですね。
慎重に危険回避行動をとることは良いことです。
等と結構冷静に他人の行動を観察する自分がいたりしました。

それよりも登山靴に中に砂粒が入ってしまい、こすれて痛い方が気になって仕方が無かった。

林道に出る前辺りにあれほど激しく降った雨は上がりました。

しかし往路では飛び石で渡った下台倉沢の渡渉地点が濁流となっていて、足を取られる為ロープをしっかりと掴んで渡りました。
渡るのに真剣で写真を撮るのを忘れるくらいです。

水量が膝下だったので少し足を持って行かれる程度でしたが、もしもう少し水量が多く膝まで有るとすると怖くて渡れなかったかもしれません。

良くニュースで台風などの河川の増水で中洲に取り残された人がロープを張って救助される光景を眼にしますが、その小型版といった所です。

画像はようやく登山道入口にたどり着いた所です。

駐車場の車は半分くらいに減っていました。

もう18:30なのですから日帰りの人達はほとんど帰ったのでしょう。

それにしても疲れました。

13時間と50分。

確か標準コースタイムは11時間とのことですから、休憩時間を入れたとしても掛かりすぎですね。

何とか日没前に戻れてヤレヤレです。

平ヶ岳、さすが日本百名山です。

何人の登山者とすれ違ったでしょうか。

この山はアプローチが長い、登山経路自体も長いので当初は1泊2日で登るしかないと考えていた。
しかしまあ、暗い内から歩き出せば何とかなるものなのですね。
でも疲れました。
とにかく13時間と50分は我が隊の最長の山行記録となりました。
長距離の山行を成し遂げて満足感、達成感はあるのですが、この山はやっぱりテントを担いでゆっくりと味わいたかったなぁと思う気持ちもある。

参考データ(GPSより)
沿面距離:25.391km
累積標高差:+−2,239m

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