皇海山 鋸山
【登った日】 平成21年 6月6日(土)
【天 候】 雨
【山の名前】 皇海山(2144m) 鋸山(1998m)
【時 間】 9:30〜16:00
【同行者】 おK3
【コース】
皇海橋登山口〜不動沢のコル〜皇海山頂〜不動沢のコル〜鋸山山頂〜不動沢のコル〜皇海橋登山口
足尾山塊の盟主である皇海山は今までも何度も計画はしてみたが、諸々の情報により断念してきた経緯がある。
足尾銀山平からのコースは日帰りだと15時間前後のハードなコースでとても自信がないし、おK3を連れてはあり得ないことである。
楽に日帰りが出来る栗原川からのルートもあるが、栗原川林道を走行出来るような車は無い。
何しろ前年の秋に学生時代の友人であるトホトホ住人氏が桐生へ遊びに来た帰りに根利から林道に入り、皇海山登頂を果たし、甲府へ帰る関係から追貝方面へ抜けようとして、途中でタイヤをバーストさせてしまったのである。
普通車であったのでだいぶ腹もこすったらしい。気の毒な話である。
タイヤ交換をしたSSの話によるとこの林道でタイヤをバーストさせる人は全くもって珍しいことではないらしい。
ハイトスはこの時一緒に登りたかったのだが、その前の週の鳴神山下山時に岩を踏み損ねて逆関節を決めてしまい
とても皇海を登る状況では無かったので、全て後日談として聞いた話である。
ただし、紅葉は素晴らしいの一言だったらしい。
この様な悪路であり、走行平均時速も20kmで程でとろとろ走るしかないらしい。
トホトホ住人いわく、「車高の高めの車、出来れば4WDで行った方がよい、ハイトスの車では絶対止めた方がよい」との事だったので余計に延び延びとなっていた。
しかし良く聞いて見ると根利からのルートは追貝ルートに比べるとだいぶましなようである。
おK3が行きたいと言うし、おK3の車は2WDだが前輪駆動でしかも他の車に比べて車高は高いような気がする。
天気予報は曇りであるが、そもそもレポートを読んでいると眺望はほとんど望めないらしい。
それでは何処からでも目立つ足尾山塊の盟主へのご挨拶を目的に行って見ましょうかと言うことになった。
でもせっかく皇海へ行くのならコルの反対側の鋸山も登って見ましょう。
桐生を7:00AMに出発し、登山口へは9時前には到着した。 林道は1時間20分前後走ったことになる。 天候は小雨ではあるが最初から雨具装着となってしまった。 |
橋の向こう側にはトイレがあり、しかも水洗だったのは驚いた。 車は橋の双方の駐車場に計7台ほどであった。 丁度同時に我々を含めて3組が歩き始めた。 |
山頂入り口とある道標より山道に入る。 前を行くのは同時にスタートした東京のご夫婦である。 |
まずまずの水量であった不動沢の様子。2度程渡渉した。 登山道はほぼこの沢に沿って続く。 |
雨で石が濡れているので滑らないように注意が必要。 一人、二人と下山者に会う。朝の6時前後に登り始めたのであろう。 |
少しガレた沢を浮き石に気を付けながら登ります。 このあと不動沢のコル直前が少し急登となります。 |
不動沢に着きましたが、雲にスッポリで視界は全く有りません。 このコルをまずは左に皇海山頂を目指します。 |
途中枯木の目立つ風景が目に飛び込んできました。 コルからはほとんど急な登りもなく良く踏み込まれた道を辿ります。 |
青銅の剣が見えたところでほぼ頂上でしょうか。 おK3と「袈裟丸の頂上前の急登の方がきつかったね」等と軽口をたたくほど余裕があります。 |
結構呆気なく山頂です。我々を入れて7名です。(こんな天気なのに。) 最初から眺望は期待はしていませんでしたが、樹木だけでなく雲の中に居るようで廻りは全て真っ白の世界です。軽く軽食を摂って撤退です。 |
これから鋸山へ行く予定ですので先を急ぎませんと。 | 下山時に迷いやすいと言われている箇所です。道なりに行ってしまうと栃木県側に迷い込んでしまう場所で注意を促すテープが張り巡らされています。ここは画像右の道が登ってきた道です。 |
不動沢のコルまで戻りました。さて黄色い看板にある鋸山へと向かいます。所で左の警告板ですが、「単独行動は絶対にしないさせない」と言うのは少々乱暴な言い方だなぁ。そんなこと言われても・・・である。 | さて目指す鋸山が靄の中にその鋭鋒を現せて居ます。 あれ、結構頂上付近は急だなぁ。 興味半分、怖さ半分である。 |
この天気で鋸山へは誰も行かないし、当然誰も降りてこない。 石楠花の花が出迎えてくれました。 |
淡いピンクの花が所々で咲いていて目を楽しませてくれます。 |
段々と急になってきまして、おまけに岩場に出くわしました。 巻き道は有りません。登るっきゃない。 |
おK3果敢に攻めるが手がかりも鎖も無いのであえなく敗退。 上からスリングを垂らして何とか1個目の岩はクリアしたが、続く5m前後の岩が登れず断念。上から今度は確保用のザイルをおろしたのだが、戦意喪失状態となってしまい、「あたしゃここで待ってるから」というのでしょうがなし、おK3他ザックもデポして空身で頂上まで行くことにする。 |
鋸山の頂上が近くなるにつれ急登がきつくなります。 | 脆い岩の急斜面はロープに頼らざるを得ません。雨で足下が滑ります。 |
急登に次ぐ急登で頂上に着きました。 あれ、賑やかな山名板がいくつも付いた柱が見あたりません。 |
鋸の後方の歯です。庚申山方面から来るときはこれらの歯を登って下ってを繰り返すらしいです。 |
山名板の柱は無くなっているので庚申山方面を示す道標をバックにセルフで撮影。この場所には六林班峠への道標も有りました。 | 本来素晴らしい眺望が得られるはずなのですが、あいにくの天気で廻りはみんな真っ白白の雲の中といった状態でした。唯一下方のみ雲が晴れており松木川源流あたりの麓の様子が見えました。 |
さて、おK3も岩場で待っておりますので休憩なしで戻りましょ。 相変わらず視線より下方向のみ雲が晴れています。 まったく運が悪い、すぐ向かい側の皇海さえも見えません。 |
岩場まで戻りおK3とザックを回収して下山に掛かります。 振り返って鋸山の急峻な三角形を見上げる。 さっきまであのてっぺんに居たのですね。 |
鋸山から不動沢のコルへのルートは1カ所迷居やすい箇所が有るので要注意です。色が濃い石楠花のつぼみが雨に濡れて余計に綺麗です。 | 鋸の歯は7個まで確認できますが、上部は雲に研磨されみたいで鋭さが今一歩伝え切れ無いのが残念です。 |
さて、後は不動沢のコルから登山口まで戻るだけです。
ずっと降っていた雨の為、不動沢のコル直下の急斜面は泥濘が酷くなり滑らないように慎重に降ります。 ここでも補助のトラロープが頼りになります。 ありがたいことです。 ずぶ濡れになって登山口まで降りると、何と我々の車の他に浜松ナンバーの車がまだ残って居るではありませんか。 さすが深田百名山、こんな天候にもかかわらず50人以上の登山と出会いました。 ちなみに鋸山方面では誰にも会いませんでした。 |
雨の降りしきる中、雨具をしまい靴を履き替えて後は「しゃくなげの湯」までまっしぐらなのですが、その前に又厄介な林道の低速走行が待っています。
今回の山行は最初から眺望は諦めていたのでそれほどがっかりはしませんでしたが、この林道は普通車では2度と来たくはありませんね。
行きも帰りも何度腹をこすった事やら。
車にはもちろん精神衛生上も宜しくありません。
○余談「おK3心配される。」の巻
おK3が鋸山中腹の岩場で待っていたときの話です。
そういう事情でじっと岩場にたたずんでいたのですが、不動沢のコルからはこちらがよく見えるらしい。(岩場からもコルがよく見える。)
不動沢のコルには人が3人ほど立ったままでおK3をしばらく見ていたと言う。
彼らにすればあんな所(岩場)でピンクの雨具を付けているので女性と思われる人物が一人で身動きせずにじっとしているのが奇異に見えたことでしょう。
あんな所で何をしているのだろう?
どうして動かないのだろうか?
ケガでもして動けないのか?
おK3にしてみれば、「怪我をして困っている訳じゃ有りませんよ」と手を振って、逆に助けを呼んでると勘違いされても困るのでじっとしているしかない。
もちろん声が届く距離では無いので手旗信号くらいしか伝達方法はない。
そのうちコルの人たちも居なくなったらしいのだが、要らぬ心配をおかけしたかも知れないので、もしそうならばこの場をお借りして
「ご心配をおかけして済みませんでした。」とお礼の言葉を述べておこう。