○ 谷川岳馬蹄形縦走

【登った日】 平成22年 9月10日 (金) 〜 11日(土)
【天  候】  晴時々曇り
【山の名前】 谷川岳 (トマの耳 1,963m、オキの耳 1,977m) 一ノ倉岳(1974.2) 茂倉岳(1978)  武能岳(1759.6) 七ッ小屋山(1674.7) 朝日岳(1945.3) 笠ヶ岳(1852.1) 白毛門(1720) 
【時  間】  1日目:08:30〜15:30 2日目:05:30〜17:40
【同行者】  おK3
【コース】  1日目:天神平〜谷川岳〜一ノ倉岳〜茂倉岳〜武能岳〜蓬峠(幕営)
                2日目:蓬峠〜七ッ小屋山〜清水峠〜ジャンクションピーク〜朝日岳〜烏帽子岳〜笠ヶ岳〜白毛門〜駐車場

谷川岳馬蹄形縦走は登山を始めた頃からの憧れであり目標であった。
しかし体力的に全く自信がなかったのでずっと延び延びとなっていたのだが、昨今10時間超の山行もこなせるようになってきたので天候さえ良ければ行けそうな気がする。
おK3もその気になっているので善は急げとばかりに猛暑の時期の終わりを待った。
馬蹄形縦走はぐんま百名山の未踏3峰を含むので1粒で2度、いや3度美味しい。
あいにく日曜日の予報はあまりよろしくないので金曜日に休暇を取り金曜土曜の天気予報の良い両日に計画を実行に移した。
右回りか左回りかは悩むところであるが、昨年7月に白毛門から笠ヶ岳まで足を延ばしたことがあるが、そのときの記憶で白毛門への登りはきついという概念が頭の中でできあがっているので右回りに決定。
次にスタートはどこにしようかとなるが、巌剛新道も西黒尾根もおK3に却下される。(もちろん田尻尾根も)
ロープウェイがよろしいとういことであるが、平日は8時が運転開始である。
これだと1日目で清水峠まで行くのは微妙になってきた。ウゥームどうせ幕営だからどちらでもいいのだが、翌日のことを考えると清水峠まで行きたい。


「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。(承認番号 平21業使、第522号)」

1日目(天神平〜蓬峠)

最初にロープウェイ駅まで行き、おK3とザック類を降ろしたあと下山地点である白毛門の駐車場に行く。

予定通りに行けば明日ヘロヘロになってここにたどり着くであろうとおもわれるのでなるべく橋に近い場所に駐車した。

ロープウェイ駅までは徒歩で10分も有ればと思ったがそれ以上掛かった。

結構登るのである。

いつもは車で通過するだけなのであっという間であるが。

キップを買って準備万端で待機しているおK3と合流し颯爽とゴンドラに乗り込む。

しかしここですでに8:10分過ぎで始発の8:00発には乗れなかった。

こんなんで今日の計画は大丈夫なんでしょうか。

天神平駅を下りて明日の行程の最後の山である白毛門を眺める。 歩き始めて田尻尾根への下山口を過ぎた辺りで谷川岳が。雲が。
熊穴沢避難小屋到着。まだ休憩には早いので通過するだけ。 久しぶりの天神尾根である。
南西方向には阿能川岳と、その奥に吾妻耶山。
阿能川岳から谷川岳を眺めた時の感動が蘇る。
阿能川岳から見たときは、白い天神尾根の上を歩く登山者が蟻の様に見えた。木階段が現れたら肩の小屋は直ぐそこです。
肩の小屋が見えました。
ここでトイレ休憩としましょう。
万太郎方向です。今回谷川主稜線縦走とどちらを先にするべきか迷いましたが、おK3の「大変な方を先に」の一言で馬蹄形になったのだが。
今日は雲が晴れている。白毛門から朝日岳方面が綺麗に見える。 とりあえずトマの耳で撮影。流石に平日です。他に2人しかいませんよ。
オキの耳に向かいます。ザックが重そうですね。 何故かこちらには10人前後の登山者がいました。
奥の院。石祠と賽銭箱。これ以降は先行する2名の登山者が遠くに見えるだけで人影がパッタリと途絶えます。 ちょっとした鎖を下ります。
一ノ倉岳への登山道はしっかりと刻まれれています。 振り返ると谷川岳の両耳。この時間は雲が切れていますよ。
途中のノゾキで多くの命を奪った絶壁を怖々と覗いてみる。 白毛門から朝日岳方面。同じくらいの標高まで来ました。
一ノ倉岳山頂着です。先行者2名、我々より少し年輩の京都からお出でのご夫婦でした。今夜はヒュッテ泊まりだそうです。 一ノ倉岳避難小屋です。
中を見てみるが雷などの緊急時以外は利用したくない雰囲気である。
注意以外読めない。たぶん中芝新道への降り口かと思うのだが。
だとすると上級者以外通行禁止とでも書いてあったのだろうか?
茂倉岳へ向かいます。
少しガスが出てきて視界を遮り出しました。
茂倉岳山頂に到着です。周りは真っ白。一ノ倉岳からは直ぐでした。 さぁ武能岳へ向かいましょうか。
ガスの中に切り立ったピークが見えてきました。あそこに登るのかな? やれやれ左に巻き道がありましたよ。
稜線の登山道の先はガスで見えませんが徐々に晴れてくる気配です。 しばらくすると武能岳がその勇姿を現しました。オォ!!凛々しいぞ。
中芝新道と思われるルートがよく見えます。上級者用ルートです。 鞍部から武能岳登路を眺める。
遠くにJR送電線監視小屋の三角屋根がかすかに見えます。
白樺避難小屋は見えるか見えないか微妙な大きさです。
武能岳への最後の登りです。
蓬峠が眼下に見えます。ヒュッテも見えますが、あれ黄色じゃないぞ。
大源太がとんがっていますね。
登っても登ってもなかなか着きませんよ。
やっと頂上です。武能岳頂上にたどり着きました。
時刻は14:30分を少し回っています。とにかく一本。
蓬峠と蓬ヒュッテを眺めながら降ります。
ヒュッテ到着予想時刻はというと15:30ごろです。微妙だなぁ。
土合へのエスケープルートの分岐です。
調子が悪ければ明日ここから下山出来ます。
当初は15:00前に蓬峠着なら明日が楽になるので一挙に清水峠まで行くつもりであったが・・・・。
清水峠は水場の心配が少しあるので検討の結果蓬峠で幕営に決定。
ヒュッテに幕営料一人300円、計600円を支払います。安いなぁ。
他に幕営者はいないので一番ふかふかの芝生の上に張ります。
張り終えてとりあえず冷えたビールで乾杯。
早速今日の夕飯用と明日の為に水を汲みに行きます。
水は往復30分弱の場所です。豊富な水量で美味しい水ですよ。
この水場が信頼出来るので今回ザックが5kgも軽くなっているのです。
ヒュッテの宿泊者は途中で会った京都のご夫婦を含め4名の様です。
やはり平日は空いているようですね。

5時を過ぎた頃から少し風が出てきました。
おK3は不安がるが、「山岳用テントは大丈夫な様に設計してあるから」といって安心させる。
風があるので夕食の調理はテントの中で行う。
定番の牛丼と中華丼だぁ。ありゃりゃ今日は鰺フライとコロッケまで有りますよ。
今日は当初予定の清水峠まで行けなかったが明日早出をすることにして早めに就寝しましょう。
寝酒のワインを飲む。保冷ボックスに入れてきたのでよく冷えています。
ヒューヒューと言う風の音を聞きながらいつの間にか寝てしまいました。

2日目(蓬峠〜白毛門)

4時前に目覚ましに起こされて外に出ると満天の星。
空が白々と明けてくるに従い星が如々に消えて少しずつ周りも明るくなってきます。さあテントの撤収です。
芝生は夜露に濡れてしっとり。テントもしっとり。明るくなるのが思ったより遅かったこともあり撤収作業に手間取ってしまった。
出発準備に思ったより時間が掛かりヒュッテを出たのは5:30になりました。ヒュッテの管理人さんに「あの山は何ですか?」と聞くと「苗場山ですよ」。苗場山がこの角度から見るとなだらかなスロープを描く事を知る。
管理人さんが出発の時に鐘を鳴らしてくれた。なんか嬉しい。
お世話になりました。
湯桧曽川と馬蹄形の山々を見る。
後方のヒュッテ方向から鐘の音が聞こえる。後続が出発したようだ。
蓬峠:0.6km。清水峠:2.1km。大源太山:2.3km。
目立ちますからねぇ。大源太山もいつかは行ってみたい。
今日のルートのジャンクションピークから白毛門までが朝の逆光の中、シルエットとなっています。飛行機雲が1筋。 清水峠へはこの七ッ小屋山を越えなくてはなりません。
七ッ小屋山への登りです。
七ッ小屋山へはあっけなく着きます。ここで昨日の京都のご夫婦に追いつかれます。このご夫婦ですが、走行スピードが早いのですよ。我々比較で登りは10%アップで下りは50%アップくらいでしょうか。 頂上から少し下ったところには大源太山への分岐道標です。
新潟側からではなく県境から登る場合はここからの登頂になります。
とっても寄り道など出来ませんのでまたの機会にということで・・。
なだらかですが少しザレている登山道を慎重に下ります。 鋭い三角形の大源太山はこちらから見ると少し丸みを帯びたように見えます。どちらにしろ切り立っていますね。
笹原の斜面の先に清水峠が見えてきました。 JR送電線監視小屋。(送電線なので東電だと思ったら違いました。)
JR白樺避難小屋。中には思ったよりも小ぎれいなトイレがあります。
しかしゴミが放置して有りました。
最低限のマナーは守りたいものです。
避難小屋の裏にはお宮と鳥居。テン場になっています。
10張りは張れそう。ここで京都のお二人に先に行ってもらう。
この後お二人は遠くになるばかりで追いつくことは有りませんでした。
巻機山が綺麗に見えます。
割引岳からの稜線と天狗岩もはっきりと見えます。
そう言えば巻機山の稜線に「朝日岳方面」という道標が有ったなぁ。
ジャンクションピークへの登りがきつかった。時間を掛けて登る。
何故かハイトスが大バテで・・・。シャリバテ?単に暑くてバテている?
確かに日差しは強くなり容赦なく照らし出したのだが。
巻機方面の大烏帽子山の斜面を見ながらゆっくりと登る。 緩斜面の登りです。時々今回のように急に元気がなくなることが有る。
ブドウ糖をなめてみる。即効性となるか。
ジャンクションピークへのだらだらとした登りは体調が良いときでもきついのでは無いかと思われる。少しザレている斜面を登るおK3。
頼むから滑り落ちないでね。この辺りはちょっと急だから。
ここで巻機山への道標がありましたよ。ジャンクションです。
ただし「難路 道ナシ」と但し書きも添えてありました。
ここでようやくだらだら登りが終わりピークへ到着のようです。
ジャンクションピークから朝日岳は直ぐ近くです。
池塘が見えたなと思ったらその先のなだらかなピークが朝日岳です。
朝日岳頂上へ行く手前の水場に寄って行きましょうかね。
ここで2L補充したのでもうこの先は水は飲み放題となり毎回ガブのみしても可です。冷たくて美味しい水です。
一時青臭いと言う報告が有りましたが、くせの少ない美味しい水でした。
岩の間に湧き出ていますので汲み出すためにカップが必要です。
ちなみに水場の場所は宝川温泉方面に少し下ったところです。
徒歩2分ほど。
朝日岳山頂に立つ。99座目だ。感激もひとしおである。ヤッター。
バテも収まった。突然のバテが何が原因なのか今ひとつ判らない。
頂上から見た笠ヶ岳方面。谷川は雲の帽子をかぶっている。 山頂には石祠がある。おK3がなにやらお願いしているようだ。
名残惜しいが時間も押しているので笠ヶ岳へ足を向けます。 後ろを振り返ると朝日岳が。
今度来る機会が有れば宝川ルートから登りたいものである。
笠ヶ岳へは烏帽子岳をはじめとする大小のピークをいくつか越えていきます。 ザレ場を慎重に渡る。
笹が支えとなるので掴みながら渡った。
笠ヶ岳の綺麗な山容が目に入ってきました。谷川は残念。 その先には白毛門。
避難小屋です。中を覗くと結構綺麗にしてあります。
前回笠ヶ岳訪問時は山頂から眺めただけ。
ここは今回の2泊目となる場合の候補地でした。
バテて白毛門からの下りで日が落ちそうな場合は無理しないでここで泊まるつもりでした。
ただ扉がきちんと閉まらないのでこれから寒くなる季節には困るのでは。
13:00前に何とか笠ヶ岳の頂上に立てましたよ。
ここからは前に一度来ていることもあって安心してしまいました。
これで後は何とか車まで戻れるぞと。
ここで昼食を。煮込みの鍋焼きうどんを作る。何とかき揚げのテンプラまで持ってきたらしい。おK3えらい。美味しくいただきました。
ここでアマチュア写真家の方と出会い色々と情報交換。
笠ヶ岳で安心したのかゆっくりしすぎでした。山頂を後にします。 白毛門では先程出会った写真家に追いつく。写真を撮ってもらう。
白毛門山頂でまたしても写真家の方と色々な山の話をしてしまいアッという間に時間が過ぎてしまう。しかし良く群馬県の山もご存じの方です。 次のターゲットは松木沢の頭。
ジジ岩ババ岩お久しぶり。そしてサイナラ。 前にこの下山道で膝が痛くなり難渋した苦い思い出が頭をよぎる。
タラタラのセンは水量も有るようで大きな音を響かせています。 沢に着いて顔を洗いました。何とか明るい内に戻ってこれました。
白毛門の下りは相変わらず長く、そして膝にきます。

駐車場所は一番手前に停めておいて良かった。

案の定よれよれになって駐車場着でした。

時間はなんと17:40ではないですか。

今日一日だけで12時間行動と言うことか。

昨日の7時間を加えるとなんと19時間にもなる。

やはり1日目に清水峠まで行けなかったツケが翌日に回ってしまいました。

この間の2時間を分配すれば9時間と10時間だからうまい具合なのだが。

とにかく2日分の汗を流すべく湯テルメ谷川に急ぐ。

湯テルメ谷川は平日なのに激混み・・・と思ったら今日は土曜日でした。

充実の2日間であった。
目標であった馬蹄形の縦走完遂です。

 

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