○ 出川源頭岩峰群

【登った日】  平成23年 7月 9日(土)
【天  候】  晴後曇り
【山の名前】 T峰(1080m) U峰(1130m) V峰(1133m) W峰(1170m) X峰:向山(1251m)
【時  間】    8:10〜12:30
【同行者】   たそがれオヤジさん
【コース】     登山口〜T峰〜U峰〜V峰〜W峰〜X峰(向山)〜乗越峠(舟石新道合流)〜舟石峠駐車場

足尾の未踏の山々を物色するにつけ、備前楯山と出川源頭域を挟んで対峙する無名峰岩峰群は気になる山域であった。
安蘇の山懐からと云うサイトでこの岩峰群を歩いた記録があり、しかも複数回訪れているところを見るとそれなりの魅力のある場所に違いない。
同サイトでは出川源頭岩峰群と云う名称を使用されているが、現在では他のサイトでもこの呼称を使用しており本HPでも表題として倣いこれら無名峰を出川源頭岩峰群とした。

ネット上の記録を読む上では厳しい場所もありそうなので単独行動となる。
しかし
若干の不安もあるので足尾山塊のエキスパートであるたそがれオヤジさんをお誘いした。
天気予報の関係で金曜日の夜に打診することになり、しかも既に決まっていた予定を変更してもらったりしてしまい大変恐縮ではあった。
出川源頭岩峰群についてた
そがれオヤジさんは当然よくご存じなのであるが、なぜかこのここだけは未踏との事であった。

しかし岩峰群の周回だけでは3時間に満たない時間で終わってしまうため何らかのオプションを付加しようと2つの案を考えたが、たそがれさんと相談の上どちらを取るかはその時の状況を見て決めることにした。
一つはW峰まで行きX峰である向山(1251m)へ鞍部経由で渡り熊ノ平を眺めた後乗越峠に降りて後は舟石新道を下るというもの。
もう一つの案はV峰とW峰の鞍部から林道に降り立ち一般ルートで備前楯山へ向かい、戻りは頂上から北西のルートを辿り駐車場近辺に降りるというものである。


「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。(承認番号 平22業使、第547号)」

全行程が下手をすれば3時間も掛からないルートである。
オプションを含めても+2時間程度であろうか。

このため舟石峠駐車場への集合時間を8:00にしたのだが朝4時起きのたそがれさんには迷惑な連絡だったと思われる。

自分も結局時間が余りそうだったので足尾トンネルの入り口付近で二子山への登山口を探してみたり、今日の登山口の2つの候補を下調べしたりして時間をつぶすことになった。

やはりたそがれさんも同様らしく、同じような行動を取っていたのには笑ってしまった。7:00にしておけば良かったですね。(反省)

舟石峠駐車場にハイトス号を停めて、たそがれさんの車に乗車し、登山口近くの駐車スペースへ。

ネット情報によると登山口候補は二つ、一つは荒廃した林道跡地から、もう一つはガレた沢からであるが、現地下見をした結果二人の意見が合致した沢からのルートで登ることにした。

この場所が沢ルートの入り口。
残念ながらこの場所に駐車はちょっと無理であろうか。
これから登るT峰とU峰が見えます。以前備前楯山から見た時の岩峰群はもっと緑が少なく荒れた山容であったが。
ガレた沢を左岸に取り付けるところを探しながら200m程もいったであろうか、石組の堰堤跡にぶつかる。
ここは石垣登りが出来ず左から巻いた。
樹木が切れてV峰方面が正面に見えた。
東南に延びる2つの尾根は両方とも樹木が無く登れそうにはない。
と言うかそんな事を考える人はあまりいない。
T峰へは結構急登である。しかも暑い!。 中腹辺りまで登るとU峰が大きくなるので撮していると思われる。
このとき撮したと思われるのがこの画像。 こんな暑いのにたそがれさんはハイペースでどんどん先へ行っちゃいますよ。今回に限ったことではありませんが。相変わらずタフです。
ハイトスは暑さのせいなのか最初からバテ気味でしゃきっとしません。 T峰頂上付近からは鹿よけネットが張ってありました。
T峰頂上から備前楯山を見る。

こうやってみると結構堂々として、子分を幾つも従えたような大きな山容ですね。

なんとかバテながらもT峰に到達した訳であるが、相変わらずバテは変わらない。

きっとこの暑さのせいだとばかりに水分を多量に補給する。

生き返ったようだ。

今日は多めに合計3Lの水分を準備してきたが、行程はさほど長くは無いので水には余裕があるのでそれほど気にしなくても大丈夫なのです。

U峰へ向かって下ります。 U峰までは直線距離にして300m程度です。稜線も歩きやすい。
U峰頂上で又しても休憩。普段のたそがれさんのペースでは無いことでしょう。こう暑くては休み休みで行かなくては保ちません。 さて、V峰へ。核心の馬の背岩尾根歩きですよ。
しかしネットで見たのと異なり実物は結構幅もありそうですよ。
U峰とV峰の鞍部辺りからU峰を振り返る。 核心部を過ぎV峰ピークはすぐそこです。
V峰頂上(最初のピーク)で記念撮影。 振り返ると背景は足尾の山の特徴を存分に見せてくれております。
U峰とT峰。 V峰は3つの連続した小ピークで構成されております。これは二つ目。
振り返ると1つめのピークが見えますがT峰、U峰は隠れています。 3つ目のピークは平地がありました。ここでも小休憩。
W峰へは樹木の中を下ります。 途中で今日初めてと思われる赤いテープを発見。
W峰への最後の登り。
この岩はフリクションが良く効いてザレ場より登りやすい。
W峰頂上です。岩岩の頂上です。
背景は備前楯山。逆光で判りづらいですがたそがれさんの勇姿です。
振り返って見るV峰からのルート。 さて、ここで決断。V峰に向かい途中の鞍部から林道に下るか、それとも先に見える向山(1251m)へ藪を覚悟で突撃するか。
二人の意見は何とか踏み跡もありそうだし行って見ましょうと一致し向山へ。最初の急な岩場を降りたらなんと樹木の下は藪ではなくてこのような歩きやすい斜面です。おまけに薄く踏み跡もある。驚きですね。 鞍部まで降りたあとは一気に1251m峰の台形状の東のピークに上り詰めました。そして目に飛び込んできたのが仁田元沢と塔ノ峰東斜面のこの風景。
目の前には石塔尾根。中倉山山頂より少し下がった場所にポツンと飛び出ているのが象徴的な石塔。
石塔尾根縦走時はあのすぐそばを登りました。
中倉山への2つのルートもよくわかりますが、こうやってみると中久保沢ルートも上久保沢ルートも急登であることがよくわかりますね。
よーく目をこらすと両ルートの中間地点にある小さな石塔が見えました。
スリットダムが見えました。実はたそがれさんの今日の予定はあのスリットダムを越えてから塔ノ峰東斜面へ取り付こうとされていたのです。
あの急斜面を登るのかぁ・・と感慨深げでありました。
台形の頂上を南西に向かい三角点のある1251m峰(向山)に向かいます。藪を避けて北側の斜面の縁を歩きますが、滑落したらちょっと怖いですね。止まらないでしょうね。
赤テープのあるこの辺りが頂上と思われる。
三角点は草に埋もれているのでしょうか。
(実は二人とも三角点の事はすっかり忘れていたらしい)
特徴的な松の木。
たそがれさんは以前舟石新道探索時にこの山に登られていて、その時に来られた場所がこの松から少し南に行った場所でした。
頂上から乗越峠はどこを歩いても大丈夫と思ったら尾根から少し外れてしまいたそがれさんに指摘されてしまう。又やってしまいそうでしたよ。
危ない危ない。舟石新道に合流しました。軌跡にはしっかりと。
後は二人ともかって知ったる新道を林道まですたこらと。
林道に戻りました。ここでなんとぱらぱらと雨が落ち始めました。 舟石峠には自分の車だけ。
この季節備前楯山に登る人はあまりいないようである。
しかし庚申山の駐車場には上下併せて11台も停まっていたのだが。

雨は大降りにはならずにわか雨の様であった。

今日の山行は短い距離の短い時間ではあったがたっぷりと汗をかいたので温泉で汗を流すことにする。

登山口のたそがれさん号駐車位置まで行ってたそがれさんを下ろし、かじか荘で合流する。

久しぶりのかじか荘であったが露天風呂の虻はどうであろうかとおそるおそる行って見ると、相変わらず蝿たたきはおいてあるが幸いにも時間によるのか虻は一匹も居ない。

一人でゆったりと湯船につかる。

露天のお湯は少しぬるぬるして温泉気分満喫である。

なぜかたそがれさんは室内湯船からこちらに来ないのが不思議であったが、後で聞いて見ると露天風呂はご存じなかったようだ。

ここには宿泊経験もあるたそがれさんなので、てっきり虻の襲撃を嫌がっているのかと思ってしまった。

低温サウナが利用出来なかったのは残念であった。

出川源頭岩峰群は結構歩く人が居るようだ。
決してハイキング道などでは無いので誰にでもおすすめと云う訳にはいかないが結構楽しめる岩尾根歩きでした。
このルート、風が強かったり、雪で下が凍っているような時はとたんに上級ルートとなるので要注意です。
正直言って思ったよりは難易度は高くはなかったが結構楽しめるルートでした。

ちなみに出川源頭岩峰群縦走の当初案は本山坑跡の鉱山神社から1029峰へ登り、その後稜線伝いに今回の第U峰へつなげ、その後は向山までは同じというルートを想定していた。
しかしながら神社から1029峰への様子がわからず、ネット上でも事例が一切無いのでどうしたものかと。
たそがれさんをお誘いして飛んでも無い崖の下で二人で上を見上げてあんぐりでは笑い話にもならないので今回は無難なT峰からとした。
どなたかこの記事を読んで神社から1029峰への様子を教えていただければ幸いです。

今回たそがれオヤジさんから借用した画像を何枚か使用させてもらいました。(自分の写っている写真はほぼそうです。)有り難うございました。

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