○ 錫ヶ岳 白檜岳

【登った日】 平成22年 8月 23日 (月)
【天  候】  晴れ時々曇り
【山の名前】 錫ヶ岳(2,388m) 白檜岳(2,394m)
【時  間】 04:10〜17:00
【同行者】  おK3
【コース】  菅沼登山口駐車場〜五色沼〜窪地〜白檜岳〜錫ヶ岳〜白檜岳〜窪地〜五色沼〜菅沼登山口駐車場

群馬と栃木の県境の深山である錫ヶ岳。
この山は県境尾根縦走路の1ピークに過ぎないが、何故か登頂意欲をかき立てるものがある。
今回採用した最も合理的と思われるルートであっても、我らの足では13時間近くの時間を要する山である。
錫ヶ岳への日帰りルートは白檜山方面からの他、(藪歩きのエキスパートでなくては難しいが)柳沢林道から宿堂坊山との鞍部に出るルート、
丸山高原スキー場から広河原に出て沢を詰めて錫の水場に出て、戻りは2351峰の北尾根を下り周回するルート等がある。
我らには白檜岳経由ルート以外に選択の余地は無い。
当初は避難小屋から白錫尾根に登り、隠経由で行くものと考えていたが、オッサンの山旅のオッサンさんが窪地経由で県境尾根に取り付くルートを
実践してくれたのでありがたくそのルートを採用させてもらった。
このルートにより累積高低差の10%程度を縮小する事が出来たと思われる。感謝である。

出発は遅くとも5:00前にしたいので前日夕方に駐車場まで行き車中泊とした。
翌日が平日でもあるので駐車場はガラガラで、我らの他には3台のみ。
そこでハイトスはおもむろにテントを取り出して平らな草地を選び体を伸ばして仮眠する事にした。

参考HP:オッサンの山旅 (2009/9/20の錫ヶ岳)


「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)
を使用した。(承認番号 平21業使、第522号)」

3時に起床し出立の準備に取り掛かる。
今回も暑さ対策としてテルモス4本に氷を詰めて冷たい水をいつでも得られるようにした。
自宅を出るときにテルモスに氷を入れた状態で、そのまま保冷ボックスに保冷剤と一緒に入れておくのである。
出発前に同じく充分冷えた水やスポーツ飲料を氷入りのテルモスに詰めて持ち歩くのである。
1本無くなっても氷はまだ残っているので、水を補給する。
こうすることによりほぼ丸1日行動中に冷たい水を得られる。

欠点は余計に重いことである。

実はこのほかにも簡易型の保冷ボックスを保冷剤と一緒に持ち歩いている。
ここにはゼリー飲料や酒類を入れている。(今回は酒類は前夜に飲んでしまったが)

欠点は同じく余計に重いことである。

朝食を摂ってテントを片づけて等、結局出発は4時を過ぎてしまった。
さぁヘッデンを点けて長時間ルートへ出立です。

東の山々の背景が明るくなってきました。 充分明るくなったのでヘッデンを消します。
弥陀ヶ池には6:00に到着です。もちろん誰もいません。 6:50に五色沼到着。今日1番乗り(たぶん)です。ここで1本。
避難小屋に泊まった人はいるのでしょうか。(いたのです。後で判明) 奥白根への道を右に見送り窪地へ直進します。
窪地は2段になっていますが、1段目の砂地にはその盛りの時期を過ぎたコマクサの群落地となっています。 左上方には白根隠山がとんがった鋭い岩の山頂を見せています。
2段目の窪地の様子。正面には白檜岳が聳えています。
白檜岳は西側の県境尾根鞍部以外の方向は厳しくてとても取り付けそうにありません。
唯一取り付けそうな県境尾根鞍部への草地を登るおK3。
ここだけが何とか登れる緩やかな傾斜です。
鞍部に取り付いてからは県境尾根を左手に登ります。
白檜岳への県境尾根はそこそこ傾斜もあり急登の部類です。
最初赤テープがあったので踏み跡が有るのかと思いきや・・・無いです。
倒木が邪魔だったりしますが適当に頂上を目指して登ります。
後ろを振り返ると奥白根山。
今回でこの山を4方向から見たことになります。
白根と言うからにはやはり雪が無いと少し寂しいか。
頂上近くなってくるとシャクナゲの小藪がお出迎え。
この近辺以外は藪もほとんどなかったのでこれくらいは愛嬌と言うことで。
シャクナゲをかきわけると白檜岳の頂上です。8:25です。
ここで今日初めて単独行の男性と出会う。湯元から来たそうです。
写真を撮ったりなんかしていると若いカップルが隠方面からやってくるではないですか。平日なのにもう3人と出会いました。少しビックリです。
先行する3名の後に続いて白檜岳から続く笹の斜面を下ります。
先行者達は早い早い・・もう見えませんよ。
この笹の朝露がくせ者。お陰で登山靴の中までぐっしょりです。
目指す錫ヶ岳が正面にその姿を現しました。
右の山が2351峰でしょうか。
笹の斜面、一部シャクナゲに覆われた踏み跡を辿り、灌木帯等も過ぎると少し開けた鞍部につきました。ここが錫の水場です。9:40。

確かにテントは2〜3張りは可能です。たき火の跡も有りました。
水場は帰りに偵察に行くことにしてまずは最後の急登の前の準備としてぐしょぐしょになった靴を脱いで靴下を絞ります。

そんなことをしていると6人のパーティが下山してきました。
昨晩は避難小屋泊だそうです。

「ここから先の笹の露払いをしておいたからね!」。
ありがたいことであるが、今までもその笹の露払いしてもらった場所を通過してきたのであるがこの有様です。
中にはきちんとスパッツを着けている人もいましたが、これほど朝露がひどいと役に立たないそうです。
皆さんハイトスと同様に靴の中は水びだしだそうです。
こういう時は面倒臭がらずに早めにレインスーツのズボンをはく事ですね。

それにしてももう9人の人と会いました。平日なのに。

朝露をタップリと含んだ腰の高さの笹原を登ります。

頂上までの途中で下山してくる先行者の3名とすれ違います。

白檜岳では一緒だったのにこんなに差が付いていますよ。

単独行の男性が頂上付近で間違いやすい箇所をアドバイスしてくれる。

なんでも頂上付近で踏み跡がまっすぐについているが、そこは直進では無くて左に曲がるのが頂上へのルートらしい。

よし気を付けよう。

笹原の斜面の傾斜が緩くなると頂上は直ぐ近くです。 頂上に到着です。10:55。山名板が何枚も有ります。
三角点をカメラの台にして記念撮影。 このスタイルの山名板はよく見掛けますね。
あいにく展望はガスが出ていてパッとしません。
でも良いのです。錫ヶ岳に来たんだと言う満足感に浸ります。
脳内シミュレーションでの袈裟丸から鋸、皇海、三俣、宿堂坊、錫、前白根の縦走路の内、未踏の2山の名前が刻まれています。
山名板のある場所の三角点は御料局三角点でした。
国土地理院の三角点は数メートル離れた場所に有りました。
錫ヶ岳到達の達成感に浸っていたいのはやまやまなのですが、予定より大幅に時間が超過していますので下山に掛かります。
下山のルートが眼前に広がります。
後ろを振り返るとそこには錫ヶ岳。錫ヶ岳さんさようなら。
今度来る時は間違いなく単独であろう。
時間も無いのではあるが今後の為に水場の確認に行ってみた。
水量は乏しいが、飲料水確保目的程度には充分である。
冷たくて美味しい湧き水でした。12:00になりましたよ。
戻りでシャクナゲに覆われた踏み跡を進むおK3。
本音としてはこの程度の小藪でも出来れば避けたいらしい。
なんか言ってますよ・・・「コワイ」らしい。
足下が見えないからか、それとも動物が隠れているかも知れないからなのかは判らないが。
白檜岳への登り返しですが、ここが戻りで一番きつかった。
何といってもここで急に太陽が雲から出てきて我々の背中を容赦なく照らし出したので、遮ぎる樹木もない中でもあり、結構体力を奪われた。
やっとの思いで白檜岳に戻るとたまらず1本。
後は五色沼から弥陀ヶ池への登りがきついだけと励ます。
白檜岳からの県境尾根は適当に下ったので登りとは違うルートとなる。途中からショートカットして下った。ショートカット斜面を下るおK3。 後は窪地を抜け、小屋を素通りして五色沼で最後の1本。
隠から前白根の稜線の木々は少し色付き初めているかのよう。
きついきついと思っていた五色沼から弥陀ヶ池への登りは思ったほどでもなく、あっけなく弥陀ヶ池へ着いた。後は駐車場までなので日没前には着ける事が確実の為か気持ちにゆとりが出来る。 駐車場に着いたら17:00ではないですか。
13時間は掛からなかったが、やはり噂に違わぬハードなルートであった。駐車場には3台が残っているのみ。

確かに疲れ果ててしまったが達成感があり、帰り支度も満足感に浸りながらの作業となった。
今回は午前中は晴天ではあるが気温は低く、風も涼しかった為、暑さによる極端な疲労が無かった事は幸いであった。
5リットル準備した水は500mL余った。
渇きのつらさは耐えられそうに無いのでついつい十分な水を用意してしまうのです。
今回はずっとテルモスの氷も最後まで残っており、ずっと冷たい水を飲むことが出来た。
重い思いをした分見返りは大きい。
真夏の汗をタップリかいた時に飲む冷たい水は何物にも代え難い贅沢である。

今日の日帰り温泉は白根温泉・加羅倉館。
今日はいつもより温度が低かったので入り易かった。
ここで汗を流し沼田の町で夕食を摂って帰った。

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