○ 二子山 (小鹿野)

【登った日】 平成23年 6月 12日 (日)
【天  候】  曇り
【山の名前】 二子山東岳(1122m) 二子山西岳(1165.8m)
【時  間】  9:50〜15:25
【同行者】  おK3
【コース】   坂本登山口〜股峠〜東岳〜股峠〜西岳東峰〜西岳中央峰〜西岳西峰〜魚尾道峠〜鉄塔下〜坂本登山口

赤城がツツジ祭りであるというのでちょっと気が移ろいだが、登り残している北秩父小鹿野の二子山に行くことにした。
この山は西上州に分類されることもあるようだが埼玉の北秩父の山である。

なぜこの山が延び延びとなっていたかはすべてその難易度による。
しかし表妙義の相馬岳をクリアしたおK3には怖いものなし??のはずなので大丈夫かなと。

二子山はその名の通り大きく分けて東岳西岳の2つの山に見えるが、西岳はさらに東、中央、西と三つの峰に分かれる。
今回の予定であるが、西岳東峰への上級者コースは無理として、東岳と西岳へ一般ルートで登った後、西峰まで縦走し魚尾道峠経由で駐車場まで戻る予定である。
二子山の一般道といえども危険な場所があって云々と事前レクチャーを行うが、ダメなら最悪西岳の一般ルートだけをピストンで戻ればいいやと云う事になった。

今回山行そのものの時間は短いので出発時間も遅くなってしまった。


「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。(承認番号 平22業使、第547号)」

R299の民宿登人を過ぎたらすぐに右折し林道に入る。
登山口とバイオトイレを過ぎた数十メートル先に駐車余地があった。
準備を終えてこの登山口に戻り登り始める。入り口には登山者数を数える計数カウンターがあったのでおK3が2回押す。9:50であった。
最初は植林地の登山道で、昨日の降雨の為かかなり湿っていた。 登山道には倒木もあったりする。
「どうやって越えようかしらね」と算段するおK3であった。
股峠の北側の駐車場まで来ればこの1時間弱の登りは大幅に割愛できるが、周回コースを取るためには坂本登山口でなくてはならない。 ローソク岩への分岐。
クライマーさん達が行く場所です。
股峠に到着です。ここで最初の休憩をしていると、北側(倉尾)ルートから2人組がやってきて挨拶を交わしたあとローソク岩方面にそのまま下っていった。クライマーさん達ですよ。でっかいザックを背負ってますよ。 峠には西岳の大きな案内図がありました。
上級者コースはとんでも無い場所を登るようですね。
これを見ただけで無理無理!
一休みの後滑る粘土質の斜面に手を焼きながら東岳に取り付きます。 滑る斜面に苦戦中のおK3を見るにつけ、おーおぉい大丈夫かぁ?
東岳の難所と云われる鎖場に到着です。

第1印象であるが思った程難しそうではなかったので少しホッとする。

しかしおK3に手本を見せようと鎖を持って一挙に金属のステップに足をかけようとするが、あれ、・・その後どうしようかしら・・・となる。

やはりサクッと通過という訳にはいかない。

腕力に任せて鎖を頼り、そのまま渡ってしまえばよいのだが、それではお手本にならない。

よく見ると金属のステップのすぐ下に足場があるではないか。

一度その足場に降りてと、二段階で渡ると腕力に頼らなくても、又、金属ステップで足を組み替えると云う技を使わなくともあっさりと行けたのである。

安全のためザイルをだして確保しようかと云ったが、「大丈夫みたい」というので様子を見守ることにした。

おK3に自分のやった手順通りに渡る様に云うと案外すんなりと通過できた。

しかしこの難所の通過は怖かったと正直に白状していた。

この後も細い足場の右側がすっぱりと切れている場所は慎重に渡った。

それ以外はちょっと急な岩場の尾根歩きである。

西岳東峰が綺麗に見える展望場所より。
上級コースはあの垂直な岩場を登るわけで・・・先ほどの案内看板のルートを頭に描いてシミュレーションしてみる。
あぁいやだいやだ、考えただけで足が竦みそうですよ。
東岳頂上には文字がかすれそうな山名板が。
とにかく本日の第1目標達成。
東側に踏み跡があったがどこへ通じるのであろうか。
地形図を見る限り急峻な傾斜とガケなのであるが。
戻りであるが、難所の2カ所は安全のために確保した。
登るときは何とか渡ったが下りでは怖いと感じたらしい。
相変わらず確保すると大胆に行動できるようだ。
難所の通過で単独行の青年に少し待ってもらったりした。
本日出会った二人目の一般登山者と思われる。
最後の粘土質の斜面は滑らないようにゆっくりと。
股峠に戻ってきました。今度は休まずに西岳に取り付きます。 上級者ルートへの分岐は気がつかずに通過したようです。
左手の斜面岩壁にはボルトが見受けられますので、クライマーさん達はこちらからも登るのでしょうかね。
一般ルートはちょっと急な岩場のある普通の登山道です。 簡単な鎖もありますが危険箇所はありません。
この岩を登ると稜線に出ます。
最初に西岳東峰に行ってみますと上級者ルートの指導標が有りました。
戻って西岳中央峰に行くと立派な山名板がありましたよ。
手前には三角点。残念ながら周りはガスガスで何も見えません。
ガスが少し切れたので急いで西岳西峰方面を撮影。 崖の縁からローソク岩を撮影。自分は高所恐怖症である。
見るだけで怖いので・・・もちろん手だけ差し出して写しましたよ。
西岳西峰へと続く岩の稜線ですが、見ての通り険しそうです。
東岳で出会った青年が頂上にやって来てお互い食事を摂りながら歓談。
なんと上級者コースを登って来たと云うではないですか。
結構怖かったですよと云うが、なかなかの強者である。
これから西岳西峰へ行くという。前にも歩いた経験があるそうです。
我々は岩場は足が滑りそうなのでこのまま引き返すつもりだと云うと、東岳を登れたのだからこの先も大丈夫ですよと云われ、そうかなぁ・・当初の予定もそうだったのだが・・・と小考の後、予定通り行って見ることにした。
ところがハイトスは最初の下りでビビリました。
両サイドが切れ落ちているではないですか。
表妙義でも感じなかったこの恐怖感は子持山の屏風岩以来ですよ。
道幅は1m程もあるのでなんてことは無いし、岩も手がかり足がかりがあるので難しくはありませんが、どうしても左右の崖下に目が行くととたんに岩にしがみつきながら降りることになってしまいます。
最初の下りをこなすと慣れてきますが、とにかく最初は怖かった。
ちなみにおK3は東岳の難所に比べればこちらの方が怖くないという。
画像の岩も足の左側はそのまま奈落の底なのであります。
思ったよりも手がかりがあるし、踏み跡もしっかりなので大丈夫そうです。1歩ではなくて2歩間違えると奈落の底へ・・といったところです。 降りてきた西岳中央峰を振り返る。
あんなところを降りてきた訳で・・・・。
先行する青年が西岳中央峰の南の岩場を見ています。
なんとクライマーさん達がいますよ。しかも最低6人はいる。
K2Cのお二人のようなあちら側に行っちゃった命知らずな人達ですよ。
こちら側で良かったうとつくづく思います。自分には出来ません。絶対。
一般道で出会った登山者は二人である。なのにあのテラスだけで何人ものクライマーさん達がいて、さらの下の人に声をを掛けたりしています。
今日のこの山はクライマー人口のほうが多いようである。
西岳中央峰が遠くになりました。その後ろに東岳が見えます。
ルートはこの岩を登るのだとペンキのマークが示しています。 石灰岩は所々くぼんでいるので階段を上るより楽ですが・・・。
万一落ちると奈落の底であることには代わり有りません。 この岩を登ると西岳西峰のようです。
本日の第2目標達成です。その先はようやく下りになりますよ。
先行していた青年はここでユーターンだそうです。
ここまで案内してくれてどうも有り難うね。
岩に大きな×印。
直進せずに○と矢印のある左方向へ降りていくと・・・。
鎖場がありました。上から見ると垂直に見えます。
安全のためにおK3をロアーダウンしようとしますが、「大丈夫みたい」と降り始めたおK3からあっけなく確保不要のお申し出。あっそう。
実際降りてみると足場もあるし、おまけに金属のステップまで打ってあり簡単に降りることが出来ました。
この鎖場は見た目よりうんと易しいと云う事で。
この後すこし急な岩場を降りると後は普通の山道になります。 ローソク岩方面への分岐を左に見送って魚尾道峠方面に下ります。
薄暗い植林帯を抜けると明るい伐採地に出ます。 R299へ下る魚尾道峠からの途中で二子山を眺めてみる。
雲が出ているのが邪魔であるが、あの西岳の稜線を降りてきたんだなぁと云う満足感に浸る。
途中の送電鉄塔がジッジッという不気味な唸り音を発していた。 とにかくとっとと下る。途中ショートカットして駐車場所へダイレクトに降りたいと申し出るが即座に却下される。やっぱし。
R299が見えました。結構車の往来があります。 道路から登山道入り口の道標を見る。
車道を10分ほど歩いて駐車場所へ。1台増えていますよ。 日帰り温泉はR299沿いにある赤谷温泉小鹿荘へ。600円也。
結構綺麗で良い温泉でした。ゆっくり出来ました。

小鹿野二子山・・当初予定のコースを回れてとても満足です。
頂上でかの青年に会わなければ西岳西峰への稜線もぬかるみで滑るから危険だとそのまま股峠に戻って下山するところでした。
今回西岳中央峰から西への稜線へ下る最初は久々に怖いと感じました。
ところがおK3は両方切れ落ちていても足場がしっかりしているのでそれほどでは無かったという。
やはり高所恐怖症の程度問題で怖さを感じる程度に差が出るのであろうと思われる。
ちなみにおK3は風呂屋の煙突の階段(今でははそんな場所も無いであろうが)は登れるという。
自分は時々ビレイを取らないとたぶん足が竦んで途中から登れないであろうし、最初から登ろうとはしないであろう。
この違いが今回の様な場所での恐怖感の感じ方の違いとなるでは無いだろうか。
自分は絶対に鳶職には向かないと思う。


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