○ 丁須の頭 

【登った日】  平成22年 3月 27日
【天  候】   晴れ
【山の名前】 丁須の頭(1,057m)
【時  間】   9:30〜15:00
【同行者】   おK3
【コース】      国民宿舎裏妙義P〜木戸〜チョックストーンの黒滝〜丁須の頭〜チョックストーンの黒滝〜木戸〜 国民宿舎裏妙義P

高岩へ登った勢いに乗って裏妙義の縦走に出掛けることにした。
国民宿舎から丁須の頭へ登り、赤岩直下、三方境経由で国民宿舎へ戻る周回の予定で出掛けた。
しかも今回は丁須の頭のてっぺんに登るつもり満々で登攀用具も持参する。
先週同じ地域のほぼ同じ標高の高岩に登っているので雪や氷とは縁がないものと思いこんでいた。
万一の場合に供えて軽アイゼンだけは携帯していたが・・・。

Map

国民宿舎裏妙義。駐車したい旨申し出ると、「テニスコートに停めてください。登山は気を付けて行ってください。」とのこと。第2駐車場でした。 駐車は我々の1台だけでした。登山届けを出してと。
国民宿舎裏妙義の左奥の林道を少し歩くと丁須の頭への道標が。
杉林の整備された道。 開けた場所で右手方向にポッカリと穴の空いた岩峰を発見。
そんなこと言われても困ってしまいます。 うぅむ・・どっちに行こうか。
最初の鎖は優しい補助鎖でした。 木戸周辺を過ぎた辺りでどうやって行けば良いのかすぐに判断できない矢印を発見。
こうやって渡るのかしら。背中のヘルメットは子供が中学校の時に使っていた物。今回念のため持参。 炭焼きの跡。
この先で軽装のカップルとすれ違う。降りてくるにしては早いなぁ。
チョックストーンの黒滝に到着したのでここで休憩。 この後急に雪が多くなってきた。あれ、高岩とは違うぞ。
雪だけではなくて岩壁には氷が張り付いている。 むき出しの岩もあるので軽アイゼンの装着はためらわれる。
でもこんな氷の張り付いている所、どうやって渡るのよ!。 そうこうしているうちに鞍部が見えてきた。
鎖のあるルンゼ状の急登である。よし上の方は雪も氷もないぞ。
おK3最後の急登をこなして鞍部に出るが、予想とは裏腹にその反対側は雪と氷の世界。仕方なくここで軽アイゼンを装着することにした。 雪に加えて氷の小さな塊が降り注いだ様になっている。
慎重に滑らないように進む。
ここは怖いわね。よし鎖を掴もう。えぃ!。 鎖が雪の下の隠れている。引っ張り上げると凍りついている。
もちろん力任せに無理矢理引っ剥がす。
少し進むとトラバース鎖を使うか縦の鎖を使うか選択を迫られるが、縦の鎖は完全に凍り付いているので人力で引き剥がすことは困難。

このトラバース鎖へとりつくが、ここへの登り斜面も凍っている。
おK3はここで緊張の糸がぷつり。

拒否反応により戦意喪失。
危険なのでおK3はここまで。

ちょっと待っててね。とハイトスが単独で先へ進む。

このトランバース鎖であるが、掴んでいた鎖が岩に凍り付いていた状態から急にはがれた。一瞬鎖が切れたかと少しビックリした所である。

しかし、ここでおK3が断念したので縦走も、丁須岩のてっぺん登頂も断念する事になってしまった。肩まででガマンしよう。

しかし、考えてみるとこの先も雪と氷の世界で有れば我々が行くべき場所では無いことは明らかなのである。
ピストンで帰ることに決定。

岩の基部に到着すると打って変わって雪も氷も無し。
軽アイゼンをはずし、鎖に取り付き肩まで一気に登る。
狭い肩から3方の写真を撮る。
西方向、予定通りで有ればあの峰伝いを登っていくのであったが。
金洞山方面。手前に見える肩の先まで行けそうだが、恐怖心が先に立って動けない。 相馬岳方面。ビレイを取っていくれる人がいないので岩の登頂はあきらめる。登れそうな気はするが丸腰で登る勇気はない。
浅間山。今日も美しい。先週は岩肌も多く見えていたが、今日はかなり下の麓まで真っ白である。 肩から降りたところでもう一度眺めてみる。残念であるが、神様が「おまえには無理だ!あきらめなさい。」といっているのかもしれない。
戻りに榛名山麓を。右手前は御岳。 遠望。そこそこの景色が楽しめました。
後は往路を忠実に戻ります。雪と氷の張り付いた岩場を慎重に降りるおK3。こんな事なら10本爪を持ってこれば良かったね。 北斜面ではこの様に木の枝に氷が張り付いています。
もうすぐ4月ですが、この辺りはまだまだ気温が低そうです。
ルンゼ状の鎖場を降りれば後の難所は木戸の鎖場だけ。 木戸の鎖場ですが、戻りは岩の中ではなくて外側を岩の上縁に掴まりながら渡ってみました。
往路では何故か気が付かなかった。「この辺が木戸なんだけどなぁ」と思っていた。 お借りした駐車場に到着。
行きと同じ1台だけ隅にポツンと。

往路のチョックストーンの黒滝手前ですれ違ったカップルは不思議である。
というのは軽装だったことと、その先の雪に踏み跡が一切無いのである。
どう考えてみてもチョックストーンの黒滝で休憩して戻ったとしか思えないが・・・。
そこまでのハイキング?。雪を見て戦意喪失だったのでしょうか。
大きなお世話に違いないが。

車に乗り込んで国民宿舎を出ると相馬岳登山口に男性が一人。もう一人の相棒を待っているらしい。
ちょっと話を聞く。
聞けば相馬岳も雪と氷の世界でザイルを使い確保しながら登ってきたらしい。
ハーネスまで装備していた様子。
上級者用の表妙義を残雪時に登るこの方々はさらなる上級経験者の方々のようです。
決してまねをしては行けません。
「剣の鎖場を登れればここも大丈夫だよ。」とおっしゃるが、剣岳は登ったこともないし、アルプスもデビューしていない我々である。
「あぁそうですか・・・なるほどね、ははは」と笑ってごまかす。

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