○ 妙義山 (白雲山)

【登った日】 平成22年 6月 5日(土)
【天  候】  曇りのち晴れ
【山の名前】 相馬岳(1103.8m) 天狗岳(1084m) 
【時  間】   8:20〜16:05
【同行者】  おK3
【コース】      国民宿舎妙義北駐車場〜見晴〜相馬岳〜タルワキ沢のコル〜天狗岳〜玉石〜奥の院〜辻〜妙義神社

表妙義は我々にとって最難関の場所である。
今回は表妙義縦走などできないので、せめて妙義山最高峰の相馬岳だけでも登ってみたいと考えた。
今年の3月に裏妙義の丁須の頭に登ったときに、国民宿舎の入口付近に相馬岳への登山口が有るのを確認している。
色々調べていると、難所も少なく、表妙義の上級とは違い中級コースらしい。
それならば国民宿舎からの相馬岳ルート往復の予定で出掛けることになった。
ところがあまりにあっけなく相馬岳についてしまったものだからついつい欲が出てしまって白雲山の縦走になってしまった。

日曜日は所用の為土曜日に出掛けたい。しかし天気予報は二転三転している。
今日は鎖も登るので雨天の場合は中止とするつもりである。
国民宿舎まで行ってから登るかどうか決めましょ。


「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。(承認番号 平21業使、第522号)」

国民宿舎妙義の手前(北方)の駐車場に停める。 徒歩数分で登山口。注意書きが色々と。
最初の内は薄暗い植林地を登る。途中でおK3が山ビルを2匹発見。
早速山ヒル忌避剤を足周りに塗布する。そろそろ出始めるのですね。
植林地を抜けて稜線に出てからしばらく行くと最初の露岩が現れる。
そこには短い鎖が有った。
裏妙義の山々が見渡せる見晴に着きました。一本いれましょ。
良い展望場所ですね。左から烏帽子岳、赤岩、丁須の頭。
763m峰、890m峰方面の岩山が見えます。
真下を見ると国民宿舎と駐車場所も見えます。
細尾根を注意して進むと岩峰が現れ、その基部には窓が。
まるで額縁の中の絵の様に先ほど見た763m峰、890m峰方面の岩山が見えます。
岩の細尾根が続きます。
灌木もありますので難しくはありません。
トラバース用の鎖が出てきましたよ。

今回妙義山と言うことでもあり、最初から鎖場はすべて確保するつもりだったのでザイルは30m、他にヌンチャク5本、スワミベルト(各々)、エイトカン2個、長めのシュリンゲ2本、ロック付きカラビナ2個と縦走用に必要と考えられる確保装備一式を持ってきている。

このようなトラバース時はヌンチャクでビレイを取るだけで十分であるが、本人の安心度向上の為にもザイルで確保しながらとなった。

ちなみにおK3はザイルで確保されると安心感からか大胆に行動するようになる。

いちいち確保は面倒ではあるが、効用は確かにある。
いや、とても大きい。

急登となり鎖が張られているが、足場や灌木があり登りやすい。 確保用のロープは程良く、たるまない程度にテンションを掛ける。
分岐直下の長めの鎖場。そこそこ骨が有ります。
しかし八丁尾根で鍛えられたおK3は難なくこなします。
稜線に何か見えますよ。
やっぱり国民宿舎分岐でした。 左:相馬岳、右:金洞山 もちろん左。
縦走路は思ったより踏まれていて、利用者の多いことが判ります。 登って、下って・・・。
登ると・・・。 相馬岳山頂です。
山頂の様子。三角点と山頂標識が二つ。あれ、木に掛けてある山名板には相馬山とあるが、・・・榛名の相馬山と何か関係有り無し?。 K2隊が先月登った茨尾根から鷹戻し、中之岳。東岳、西岳と星穴岳。
星穴岳の穴は残念ながらよくわかりません。見てるだけで怖そうです。
相馬岳登頂を果たしたので戻ろうとしたのですが、おK3がまだ12時前だから天狗岳にも行きたいなどと言い出すではないか。異論なし。
少し歩き始めると・・・・ハイあれが天狗岳です。
タルワキ沢のコルに付きました。降り口をちょっと覗いてみましたが、良く踏まれているようです。やはり妙義神社から登った場合の一番利用される戻りルートなのかもしれませんね。
途中、縦走路から少し離れた小高い場所の岩のてっぺんに登ってみました。目もくらむような高度感ですが、ヤセガマンして写真を撮ってみる。 本人は勝手にここが天狗岳だろうと思っている。何と裏妙義の山が綺麗に見えるではないか。そして先ほどまでいた相馬岳の山頂も。
そこから少し行くと本物の天狗岳が。(天狗岩となっていた)

ここでは1組のご夫婦が休憩中。
しばし歓談の後重大な決断を行う事となる。

ここまで来たのだったら往路を戻るよりも妙義神社に降りた方が近いのではないか等と言い出す輩がいる。

確かに地形図を見る限りは確かにそうであるが、とんでもない鎖場が有ることを諄々と話す。駐車場まで車道歩きで2時間は掛かることも。

しかしおK3の判断基準は今まですれ違った人達(年輩の女性や、アンザイレンで数珠つなぎで登ってくる親子連れ等)を見て、あの人達が登って来たのだったら私だって大丈夫というものなのである。

年輩の女性っていったってねぇ、田部井淳子さんの様な人もいるわけで・・・・。
しかしおK3が自分で言い出したのでハイトスはもちろん異論など有るはずもなく、未知の領域に踏み出すことになってしまいました。(^^;

あれは先ほどまでいた決断場所の天狗岩でしょうか。
表妙義のこのルートは一度ハイトスが先に自分で歩いてみて、大丈夫そうであればその後おK3を連れてくることにしようと思っていた。
しかし今回図らずも走行する事になろうとは。
一応装備は準備して来ているので大丈夫とは思うが・・・・。
鎖場の現場を見て気持ちさえ折れなければ大丈夫でしょう。
最初に現れた鎖場。丁度降りてきた単独行の男性にこれからの道のりに付いてレクチャーを受ける。この方、きちんとハーネスも装着し、見るからにベテランです。親切な方です。詳しく教わりました。
この鎖場、さすがに今までとは違って長いのだけれど、ごつごつしてすんなりと登れてしまいます。
おK3もすいすいと。傾斜も他の場所に比べると緩いらしいし。
いくつか鎖場をこなします。下りはおK3が先ですので、一箇所下った先が見えなくて怖がっておりましたが、ハイトスが下を覗いてい見ると「なぁんだ短いじゃん。」と言うことも有りました。ここは登りになります。 ここを登り切ると大のぞきのピークです。
御嶽三社大神の石碑がありました。
覗いた先は天狗岳。高度感タップリ過ぎです。
ここの岩はおK3がちょと苦戦です。手足の長い人のほうが楽。
スタンスが取りづらいし怖いし。なんとかクリア。
縦走路からちょっと入った場所に玉石がありました。
丸いと言われれば丸いが
ザイルは使わないときは結構邪魔です。しまっちゃう訳にはいかないし。 ヤセ尾根の真下に大の字が見えました。おK3ビビリながら何とか撮す。
下りは足下のとっかかりを見ながら慎重に。 おK3ザイルをまとめる練習です。現地実習です。
鎖場に来ました。足下の岩穴から何か見えます。
あっ、奥の院だ。(上から失礼します。)。と言うことは目の前の鎖場が奥の院の一番厳しいと言われている鎖場ですね。
おK3は先ほどの男性に「長くほぼ垂直に近い、一番大変な鎖場」と言われていた為か、思ったより傾斜もあり、長さも30m前後と思われる現場を見て大胆にも「想像していたより易しいみたい」と言うでは無いか。
ビビって戦意喪失よりもよっぽどたくましくて良い事です。
最初に強気のおK3がゆっくりと降ります。
途中でヌンチャクにてセルフビレイの練習をしてもらう。
ハイトスはここを懸垂で降りようとしましたが、ザイルの長さが足りないのでザイルを放棄。
おK3に上から「ザイルをまとめといてね」といったら、「こんな場所でそんなことさせないでよ」とぷんぷんしていますよ。そんなこと言ったって30mのザイルだと15m地点までしか降りられないのよ。そんじゃ。
おK3を最後まで降した後はハイトスが降りる。
ビレイを取ってもらうことも考えたが、結構足場があるので大丈夫とふんだ。というかおK3に手順と操作をこの場で教えるのは無理だし。
下まで降りると御神木?の壮大さ、荘厳さに打たれてその全体を撮りたくなりますが、これで精一杯。
圧倒されます。鎖はこの木のすぐ側です。
奥の院を過ぎるとあとは難所はもう有りません。
辻のすぐ上の短い鎖ですが、ここは以前に偵察に来たときに登った場所ですので辻がすぐそこで有ることが判ります。
おK3も楽々クリア。
辻に到着。これにて上級者コースの終了。
その昔、岩に黄色のペンキで書かれた文字を見て、ここはどんな人達が登るのだろうかと思いましたが、2年を経ずして自分たちが登るとは自分ながら驚いています。思ったより早かったなぁと。上級じゃぁないのに。
もう充分鎖に慣れ親しんだので大の字はパスします。
おK3、余裕で鎖でお遊び。この後「ここは鎖は要らないわね。」
何と子供達が3人。聞けば大の字に登るという。おK3が「危険だから行っちゃダメ」というが、「パパ達が後から来るの」。ならいいけど・・・。
その後両親が他に女の子3人を連れて登ってきた。
「こんにちは。」と挨拶するが、ママさんは何とサンダルである。
当然ザックなど担いでいない。

お散歩の続きで、妙義神社へ来たついでに大の字にでも行ってみるかという感じである。うぅーむである。さすがファミリーコース???。

さて、神社を降りてとりあえず道の駅妙義で一休み。

冷えたスポーツ飲料が心地よい。500mlを飲みきってしまいましたよ。

あと2時間ほど駐車場まで歩かなくてはならないので水も買い足してさぁ歩こう。

たしかあにねこさんの記録に拠れば1時間40分くらいだという。

我々の足だと2時間は掛かるであろう。

白雲山縦走の満足感に浸りながら車道をとぼとぼと歩く。
1時間ほど歩いたところでハイトスの足が痛くなりペースダウン。
長時間になると何故かおK3のほうが元気である。
ハイトスが追いつくまでお地蔵さんの写真を撮ったりなぞしていますよ。
妙義湖のダムでは放水は少しだけ。 妙義湖の様子。さすがにこの時間ではボート遊びも釣り人もいません。
妙義湖を過ぎて少し行くと駐車場です。

先行するおK3が車を見つけて「着いたよぉ」と知らせてくれる。

お疲れさまでした。

道の駅から駐車場まで2時間弱。

時刻は18:30です。思いがけず10時間超行動となってしまった。

何とか日没前に車に戻れてやれやれです。

今日は途中で突然の予定変更でしたが、白雲山の縦走が出来てとても充実した1日となりました。

下手をすればこの先もずっと表妙義は無理かもしれないと思っていたので大満足です。

予定変更で望外の白雲山の縦走となった訳であるが、これも事前に八丁尾根で鍛えておいたおかげである。

八丁尾根で鎖場をこなしていたので国民宿舎からの登りの鎖はそれほど難しいとは感じなかった。

そのため精神的にも肉体的にも相馬岳や天狗岩に立った時点では余裕があったと思われる。

しかしながら、その後の妙義神社への下りは我々の経験上一番難しかった事は確かである。

高岩も厳しかったが、白雲山はその厳しい場所が何カ所もあり、おまけに高度感がプラスされるので難易度は高いと言わざるをえない。

今回天候のこともあり、登山者が少ないので鎖場での渋滞は全く無く、自分たちのペースで上り下り出来たのも良かった。

何とか事故も無く、ヒヤリとする事もなく行って来れましたが、緊張の連続で疲れました。

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