○ 倉見川

【登った日】 平成 24年 6月 10日(日)
【天  候】  曇後雨
【沢の名前】 倉見川
【時  間】    9:20〜12:25
【同行者】  桐生みどりさん
【コース】    林道路肩〜倉見川〜倉見川第3ダム〜堰堤〜林道〜林道路肩

 桐生みどりさんから前日光の沢を登るので同行しませんかとのお誘いを受けた。
是非一度、沢登りのスペシャリストからイロハを教わりたいものだと前々から考えていたので同行させてもらうことにした。
しかしながら天気予報は前日光方面は雨天となった為、桐生みどりさんからやむなく天気が持ちそうな近くの赤城山の梨木から深沢川を詰めて茶ノ木畑峠、戻りは尾根または大猿川との間の沢を降るという案が出された。
自分としては初のちゃんとした沢登りなので入門用であれば場所はどこでも良いのでお任せ状態であった。
事前に教わった鮎釣り用のフェルト靴底
の足袋も購入し、ザックの中身もすべて防水対策をして準備万端とした。
当日朝、桐生みどりさんが通り道であるので自宅に来ていただき合流。
ここでまたしても直前の計画変更で袈裟丸の沢に行くことになった。
どうも赤城の沢はひょっとしたら沢の遡行ではなくて沢歩きになってしまうかもしれないので袈裟丸山の倉見川にしましょうとのことである。
全く沢の知識が無いのでお任せである。
ちなみにこの方は足尾山塊のほとんどの沢を登り尽くされている超がつくスペシャリストなのである。

根利集落へ車を走らせ皇海山登山口へのルートとなっている根利栗原川林道に入る。
手動開閉のゲートを通過し倉見川に沿って走り倉見林道へ分岐する。
倉見林道は土砂崩れによる通行禁止との看板があるので少し走り駐車可能な路肩に停める。


「この地図の作成に当たっては、国土地理院長の承認を得て、同院発行の数値地図25000(地図画像)及び数値地図50mメッシュ(標高)を使用した。(承認番号 平23情使、 第548号)」

この先不安により最初の駐車可能場所に停める。 最初から渓流足袋で出発。
初っぱなからこんな様子の悪い所を降る。 林道に飛び出したのでまたすぐ下に降りて沢に立つ。
歩き始めてすぐに最初の難関が。
7mの滝だそうです。
滝の左岸は無理なので何とか登れそうな右岸に向かう。
その前にこの淵をへつらなくてはならない。
落ちると深さが身長以上も有りそうな釜へドボンである。
桐生みどりさんが慎重に足元を確かめながら・・・。
今度は自分であるが、岩壁が体を釜へ落とそうと競り出しているので容易ではない。落ちたくない落ちたくないと念じながら何とかクリア。
右岸の壁に登り始めた桐生みどりさんであるが、岩が脆くてぼろぼろ崩れて来るのである。直登は諦めて高巻くことにする。 次なるは人工物の大堰堤と言うかダムでした。
これも右岸をよじ登り捲くしか無い。
捲き道は笹藪の斜面で踏み跡があるやらないやらで試行錯誤しながら進む。
このような藪は渓流足袋はどうもしっくりこない。
しかし笹藪はそのものがしっかりとした手がかりになるので降りやすい。
大きく捲いて人工湖を眺める。
これ以降2度ほど川底の石に足を取られバランスを崩し尻餅をつく。
どうなるかというと腰から下がずぶ濡れになるのである。
以下走行した沢の様子。水は結構冷たい。
なめ滝。この滝は傾斜が緩いのでやさしい。 水の流れの薄い場所を進む。上からなめ滝を眺める。
以下傾斜が緩くなった沢の様子。雨が降ってきたので上だけ雨具装着。
この滝は音も水量もすごい。水しぶきが広範囲に飛んでいる。 左岸にはちょろ滝。しかしこちらは急傾斜なので登らない方が良い。
右岸を高巻いて滝の上部から落ち口を眺める。 また緩やかな流れの沢となった。
堰堤にぶつかるが捲くしか無い。しかし雨もひどくなりこれ以上は水も細ってきて面白みに欠けるとの事なのでここで終了。 渓流足袋を登山靴に履き替える。乾いた靴下と登山靴により足下がなにかしっかりとなった気がする。さて、滑る急斜面を林道めがけて登る。
そこそこ登った後に沢をのぞき込む。ここを滑ると沢まで一直線だなぁ。 桐生みどりさんが林道にたどり着いたようである。あと少しだ。
とてもここまでは車は入ってこれそうに無い状態の林道です。 ガケ崩れで林道が埋まっており、トラロープが渡してあった。下を覗くと先ほど見た水量と音の激しい滝が見えた。
最初がガレガレの林道であったが徐々に車も走行出来そうな道になってきた。

桐生みどりさんに色々教わりながら林道を下る。
今回遡行した沢をそのまま詰めると奥袈裟に到達するそうで、奥袈裟へ行く最短ルートではないかとの事。

今回の沢の遡行は自分としては3カ所ほど緊張した箇所があった。
一つは釜の淵をへつった時、あと二カ所は2〜3mほどのほぼ垂直のとっかかりの薄い岩を登った時である。

お手本を直前に見ているのであるが、どうしてもこの渓流足袋が薄いとっかかりを踏み外すような気がして体重を掛けられず躊躇してしまった。
しかしザイルのお世話になるほどでは無かったのでヤレヤレである。

桐生みどりさんに本日の沢は初級ですか?と聞いたところ、即座に「初級まで行かないですよ。入門ですかね。」・・・やっぱり。
ちなみに氏の著書によると、入門、初級、中級、上級、熟達者と5段階ほどに分類できるらしい。
なお入門以前には沢歩きと言うのがあるらしい。

車に戻りさっと着替えてヤレヤレである。

相変わらず雨脚は衰えずに降り続いている。

ところが少し走って根利の集落付近まで降りると降ってはいない。

雨が上がったのでは無くて道路に痕跡が無いのである。

見ると一定の標高以上に雨雲が立ちこめているようで、下界は晴れていたのである。

皇海山の登山口の看板の側にこのようなお知らせが。

しばらくは皇海山の栗原川林道経由ルートは無理そうなので静かな静かな山頂となっていることでしょう。

皇海山へ林道経由で登る計画の方は利根町の振興局に問い合わせをした方が良いですね。

初の沢登りは面白かった。
大変お世話になりました。

しかし膝上までの少し深い場所を歩いているときであるが、水が結構冷たくて数分もつかってはいられない。
夏だと釜で泳いだりも楽しいだろうが、この季節はまだまだ沢での水泳は水温が低すぎて厳しいものがある。

今回休憩した気持ちの良い場所でビールの空き缶が2つ放置されていた。
桐生みどりさんが「しょうが無いなぁ」等と言いながらこれらのゴミを回収されていたが、このような気持ちの良い場所で目にしたくはないものである。

 

※ 桐生みどりさんから難易度の目安について補足をいただきました。有り難う御座いました。

・沢歩き モミジ尾根取り付きまでの松木川     
                    渓流靴があればおK3でも十分行けます。

・入門コース 今回のように多少のへずり、渡渉を含む
             難度1

・初級コース 滝や高巻きで注意を要する場所がある
         難度2
         誰かに連れて行ってもらう場合は比較的容易ですが、自分が主役で行く場合はかなり難度が高い場合があります。

・中級コース かなり難しく、一般には上級です。
         難度3

・上級コース 先頭が登るのに確保を要し、登攀的要素が強い熟達者のみの領域
         難度4級以上


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