○ 第一次北海道遠征 (雌阿寒岳、斜里岳、羅臼岳、利尻岳、大雪山、トムラウシ山) ダイジェスト^2
当初目標を深田百名山5山以上とし、期間は2週間以内で出来れば難易度の高い山を優先に登りたいと考えた。
天候に左右される事を勘案し最初の道東三山以外は事前に計画を設定せず、その都度状況をみて次の山を決めることにした。
この為フレキシブルに対応出来るよう事前に10山の地形図を準備し、X-trailでの車中泊を中心にその機動力を発揮できるよう準備した。
8/2
新潟発23:30のフェリーに乗るべく関越道を北に向かう。
途中の長岡では花火大会の日だったようで豪勢な花火が北海道遠征出立を祝福?してくれた。
今回数日前にようやく予約を入れたため当初予定の8/3に予約が出来ず、1日早い出発となった。
8/2も空いていたのがデラックスというビジネスホテル並の部屋のみで少々値が張るがしょうがない。
その分快適ではあった。
8/3
苫小牧東に到着したのが予定時刻より1時間以上早い時間の到着となったので17:00には下船出来すぐに本日のお宿予定地である足寄の道の駅に向かう。
北海道の高速道路は空いていますよ。
快調に走って高速道終点の足寄に到着しました。
しかし様子が変です。
道の駅は満車で大勢の人出があり、屋台のテントも所狭しとやたら賑やかです。
なにやらイベントの真っ最中らしいですが、夏祭りかなにかなのかもしれません。
足寄の町のファミレスで夕食を等と考えていたのだが、・・・有りません。
レストランの看板につられて探したのですが見つからず。
焼き肉屋さんが何軒かありましたのでそのうちの一軒に入り夕食を摂る。
店内に貼ってあったチラシに「千春のふるさと・・足寄の町・・」とあったが、確かにこの町を有名にした彼の功績は大きいでしょうね。
ご飯を食べると元気になったのでもう一走りして明日の登山口であるオンネトー国設野営場まで行くことにした。
しかし北海道の夜の走行は虫の飛来が多くてフロントガラスにぶつかるのであまりお勧めではありませんね。
到着したオンネトー国設野営場には車やバイクが多数駐車しておりました。
ここで北海道の第一夜をすごすこととなりました。
とにかくそれほどの標高でもないのに星がやたら綺麗にたくさん見えるのです。
富士山で見たのと同じくらいの満天の星でこれには驚きました。
涼しくて毛布一枚で丁度良い気温でした。
8/4
雌阿寒岳登頂
第一日目は快晴であり、しかも今回一番負荷の少ない雌阿寒岳のため船旅の疲れも感じずあっさりと完了。
この画像はお隣の阿寒富士山頂付近から撮ったもの。
麓の雌阿寒温泉で汗を流して翌日予定の斜里岳登山口へ向かいます。
清里の町でも夕食を摂るレストランは見当たらずなのでコンビニで仕入れする。
登山口ではみーさんの感想に従い清岳荘にはあえて泊まらず駐車場での車中泊とする。
8/5
斜里岳登頂
噂に違わぬ面白い沢歩きを満喫し、戻りは尾根ルートを採る・・というか採らざるを得ない。
出来れば沢靴で沢を直接遡行するともっと楽しいかもしれないなぁ。
車中泊が二晩続いたのでここいらでお宿に泊まることにします。
果たして直前予約が可能か・・・可能でした。
国民宿舎はダメでしたが登山口にある「ホテル地の涯」に空きがあったのでヤレヤレです。
8/6
羅臼岳登頂
登山口から雪渓までは好天だったのだが、雪渓を登る辺りからガスが出てきたと思ったら小雨になり雨具装着となった。
頂上に近づくに従って雨は強くなり、頂上付近では風と相まって結構厳しい岩場登りとなった。
天候の事もあったためか10時間弱の時間が掛かりへとへとになってホテルに戻ったのだが、ここで弱気になりここにもう一泊という案が頭をよぎるが今後の予定を立てていなかったためここで作戦会議。
結局道央へは向かわず道北の利尻岳に行くことにする。
天気を調べると8日のみがやや好天のようである。
それではなるべく稚内に向かった方が良いと言うことで車を走らせる。
知床の町でコインランドリーで洗濯し、その待ち時間に利尻の民宿を予約することにする。
じゃらんでもいくつか空きが有りそうなのでK2隊の記事にリンクの貼ってあった「和風ペンションみさき」のHPを開き直接電話して2泊の予約を取った。
同じく知床の町で国民宿舎を見つけたので今晩泊まれますか?ダメ元で・・やはりダメでした。
ここで日帰り入浴だけにし、さっぱりとして斜里の町に入る。
斜里の町の道の駅隣の「熊湖」と言うレストランで夕食を摂る。
このレストランの地元食材9品を使ったスペシャルメニューの知床ブランド御膳がとてもおいしくて最初の北海道らしい食事となった。
またしてもおいしいご飯を食べて元気が出たのでもう少し走ることにする。
途中でオホーツクに沈む夕日を。
網走の道の駅までたどり着いたので今日のお宿にします。
8/7
移動日ですのでお気楽モードです。
途中で学生時代にバイクで北海道一周したときに泊まった事のある「船長の家」に寄ってみた。
この時は3週間くらい北海道にいたが貧乏学生であるからにしてほとんどテント泊なのであったが、同行したO野くんがここに泊まりたいと強く主張したためやむなく民宿に泊まったのがこの「船長の家」である。
なにせ三十数年前の話であるあるからもう無いかもしれないと思っていたが、なんと国道走行中に「船長の家」はこちらとの看板を発見したので懐かしく思い寄ってみることにしたのである。
当時とは見違えるような大きなお宿になっているようである。
この宿の記憶は強烈にそしてしかも鮮明に残っておりましてまぶしかった青春時代の1ページを思い起こし一人感慨にふけるハイトスであった。
他己紹介というのが有りまして、自己紹介では無く隣の人の紹介をしろというのである。
なんの事は無いお隣さんと交流を深める為の方便だったので有るが、未だに隣の席に座った方の経営されているお店の場所、名前もはっきりと覚えているのである。
バツゲームで尻で文字を書くというのをやらされたのであるが、すり切れたジーンズの尻の為か大笑いされた記憶がある。
ホントはもっと面白い事もあったのだが、とてもここで記事にするのははばかられるので止めておく。
若い人が多かった為でしょうか、最後は焼酎を飲み出したところで宿の従業員も混ざり大宴会モードとなり以降は記憶が無い。(笑)
途中の公園でホタテ弁当を食べたりゆっくりと稚内に向かいます。
途中に見えた風力発電のプロペラが悠々とまわっておりました。
稚内に行く途中に日本最北端の宗谷岬に寄りましょう。
三十数年前の時の雨と強風の中で撮ったピンボケ写真があるのだが、比較してみるとこの塔自身は変わっていないようである。
銅像があったが最初は近藤重蔵かと思ったら間宮林蔵の銅像であった。
そうかここはサハリン探索の象徴的な場所であるからやはり間宮林蔵が相応しい。
近藤重蔵は択捉が返還されたらそこに建ててあげたいですね。
稚内でフェリーのキップを購入し車を駐車場に・・・満車です。
そんなぁ、困りますぜ、ということで職員の方に聞くと少し離れた場所に駐車して良いとのこと。
しかも料金は要らないというでは無いか。???である。
2泊3日であるから3,000円の予定であったがこういうラッキーも有るのである。
ペンションはフェリー発着場のすぐ近くであるが宿のご主人が迎えにきてくれた。
明日は登山口まで送迎してくれるそうである。ありがたいサービスである。
朝は5時に出発とのことであった。
宿の食事はおいしくここでも北海道を味わうことが出来ました。
8/8
利尻岳登頂
この山もきつかった。
同宿の他の2パーティの内1組は日帰りは難しいと最初から避難小屋泊であったし、もう一組は13時間以上も掛かってようやく日没前に帰り着いたようである。
自分たちは何とかコースタイム通りに戻れたが、下りは飽きてしまって最近のいつものパターンであるが二人でブーたれながら戻ったのである。
宿の夕食は又してもバフンウニが出てきましたよ。大変おいしくいただきました。
8/9
移動日。
宿の窓から見える利尻富士の端正な姿を眺めながら朝食をゆっくりと摂り、チェックアウト時間近くにフェリー乗り場に送っていただく。
今夜の宿は名寄の道の駅。
ここはベンチも有り掃除も行き届いており大変快適でした。
8/10
移動日。
ちょっとこの日は余裕があるので旭川まで足を伸ばす。
旭川は大きな都市でした。
毛ガニを食べたり寿司を食べたり北海道三昧で今夜のお宿の層雲峡駐車場へ。
ロープウェイ乗り場を確認した後早速黒岳の湯でさっぱりして明日に備えて早めに就寝します。
8/11
大雪山登頂
6:00発のR/Wに乗り遅れてはならじと5:30には先頭の場所にザックをデポする。
今日は時間との勝負なのである。
大雪山のお鉢は雄大で見応えがあります。
心配するほどのことも無く何とかC/Tにて旭岳まで縦走して姿見駅まで下山した。
ところがこの後が大変である。
なんとR/Wの駅から旭川駅までのバスが1日3本しかないのである。
これは事前準備不足であった。
旭川駅から層雲峡までのバス時刻ばかり気にしておりこの旭川電気軌道バスは調べもしなかった。
幸いにも同様の事情のご夫婦と一緒にタクシーに相乗りすることが出来てほとんどバス代金+αにて旭川駅まで行くことが出来た。
この滋賀からおいでの若いご夫婦は我々と同じに黒岳から旭岳に縦走し旭川に戻るとのことでした。
何でも前日は層雲峡のホテルに泊まられたそうである。
捨てる神有れば拾う神もある・・とはまさにこのことで、一瞬どうして旭川まで、いや層雲峡まで戻ろうかと考えてしまった。
最終の旭川電気軌道バスに乗って旭川で泊まるしか無いかなぁ等と。
乗った個人タクシーの運転手さんはご自身でも登山をされるようで色々な情報を教わった。
大雪山は「だいせつ」なのか「たいせつ」なのかで5人で検討?した結果地元では濁らず「たいせつ」と読んでいると言うことで「たいせつ」に決定。
予定より早めに旭川駅に着きましたので予定より2本早い層雲峡行きのバスに乗ることが出来て層雲峡着。
またしても黒岳の湯でさっぱりして、夕食はK2C隊、MICHIHO隊が合流時に利用された登山軒で旭川ラーメンを食す。
満腹の後勝手知ったる屋根付き駐車場の今夜も連泊のお宿X-trail号へ。
8/12
移動日。
この日はトムラウシの登山口まで行けば良いのでやはり余裕がある。
途中の焼き肉屋さんでジンギスカンをたらふく食べる。
ここで明日の下山後の宿を予約しようとネットであさるがお盆のこの季節は直前予約は出来るはずも無く。
じゃらん、楽天、yahoo他全滅であった。
幸いフェリーは15日は満席でダメであったが前日の14日はツーリストBの予約が取れた。
となると13日北海道最終日の夜は車中泊となるのか・・・。
トムラウシ短縮登山口に向かうのだが、途中から舗装道から砂利道となる。
砂利道とはいえ平らで整備されているのでトムラウシ温泉までは全く支障は有りませんが、その先の短縮登山口までは普通車では少し腹をこするかもしれない状況であった。
登山口にはバイオトイレもありテン場、広い駐車場があった。
我々の到着時は18:00頃だったにも関わらずまだ下山してくる疲れ切った表情の登山者が何名もいた。
8/13
トムラウシ山登頂
3:30に起床するが車の屋根をたたく雨音を聞いてテンションが下がる。
日の出前であるし雨の様子となってはもう少し様子見だとばかりに日が昇るまで横になって寝入ることにする。
4:00頃にはヘッデン着用で歩き出す登山者がポツリぽつりと。
皆さん根性があるなぁ。(いや、ハイトスが根性無しになっているだけである。おK3は行く気満々。あんたいつまで寝てんのよ!と発破を掛けられる始末である。)
雨は小降りであるが止む気配も無い。
しょうが無いので雨具を装着して出発するとするか。
この山はきつかった。
雨はすぐに止んだので雨具をすぐに脱ぐことが出来たのは幸いだったが、いかんせん距離が長い。
昨日のヨレヨレになって戻ってきた彼らの心境が良く判る。
そして又近くに水場か沢が無いかと聞き回っていた彼の気持ちが理解できた。
神々の泥遊びはそれはもう避け得ません。
日帰り温泉はトムラウシ温泉で汗を流します。
トムラウシ温泉は国民宿舎ですが、新しくて綺麗です。
ここでダメ元で受付で「ひょとして空室が有ったりしますでしょうか?」と聞くと職員の方、よくぞ聞いてくれたとばかりにニコリとほほえみを浮かべて「1室だけ有ります。」ときりりと言い放つ。
お盆休みの国民宿舎などはかなり前から予約なんぞ取れないものなのですが、当日、しかも18:00過ぎに泊まることが出来たのである。
念のため食事も大丈夫ですかと確認すると「もちろん大丈夫です」との返事。
職員の方が続ける、「ただし、・・一番大きなお部屋になります。」。
ビクッ。まさかスウィートじゃぁないでしょうねと身構えると、さすが国民宿舎ですよ、ホテル地の涯より少々高い程度でした。
何でも直前のキャンセルが有ったらしいです。
そう言うわけで広々とした和室まで付いた広いお部屋にて北海道最後の夜はゆったりとして更けていくのであった。
ちなみにここは従来の国民宿舎のイメージとは異なり綺麗で、お風呂なんぞは広々としていて露天風呂もゆったりのサイズが二つもある。
内風呂も広々、ミストサウナもあり、その他館内設備も清潔でおまけに宿泊費はリーゾナブルであるから言うことはありませんね。
8/14
最終日はお土産を買って苫小牧東港へ行くだけである。
受付でトムラウシのピンバッジを購入してチェックアウトです。
この国民宿舎は半分近くがトムラウシ登山者と思われ、入り口には登山靴とスパッツの洗い場、タワシ、干し場まで用意してあります。
もちろん我々も利用させてもらいました。
苫小牧の町で最後の北海道を味わうべくいくら丼なんぞを食してフェリー乗り場へ。
ツーリストBは寝台列車と同じで2段ベッドの仕切りはカーテンといった具合。
いびき対策として耳栓を用意していましたが我々のブロックは静かな人ばかりのようで不要でした。
往路と2ランク違う訳ですが、充分我慢の範囲内です。
8/15
新潟港に予定時間通りに到着し、すぐに亀田ICから高速に乗り赤城ICまで一走り。
途中赤城SAで夕食を摂ったので高速を降りてからお買い物してまっすぐ自宅へ。
2週間ぶりの我が家はここ数日の猛暑を物語るようにむっとした温度ですよ。
早速窓を開放して空気の入れ換えetc.
このように無事第一次北海道遠征は無事終了いたしました。
あと二日有れば十勝岳も登れたかな。
でもそれほど欲張ら無くても第2次遠征の為に取っておきましょ。
今回幸運だなぁと感じたことが何点か。
旭岳から下山時にタクシーがいてしかも相乗りできたこと。
トムラウシ温泉に直前キャンセルが出たお陰で泊まれたこと。
稚内のフェリー乗り場の駐車場が満車であったがそれほど遠くない無料駐車場に停めることが出来た事。
フェリーも一年で最も混む時期にも関わらず数日前に予約が出来た事。(ただし船室は選べなかったが。)
来年も又訪問したい北海道であった。
皆素晴らしい印象の残る山々であった。